マッサージと鍼灸で椎間板ヘルニアを改善!効果を高める方法と自宅ケア|専門家が徹底解説

椎間板ヘルニアとは?

椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある椎間板という組織の一部が飛び出して、周囲の神経を圧迫することで痛みやしびれなどの症状を引き起こす疾患です。

椎間板は、ゼリー状の髄核とそれを包む線維輪から構成されています。

加齢や過度な負担によって線維輪に亀裂が生じ、髄核が飛び出すことでヘルニアが発生します。

椎間板ヘルニアの症状

椎間板ヘルニアの症状は、飛び出した椎間板がどの神経を圧迫しているかによって異なります。

代表的な症状としては、腰や首の痛み、脚やお尻のしびれ、感覚の鈍化、筋力低下などが挙げられます。

症状が進行すると、排尿・排便障害が起こる場合もあります。

発生部位 主な症状
腰椎 腰痛、坐骨神経痛、下肢のしびれや痛み、筋力低下
頸椎 首の痛み、肩や腕のしびれや痛み、手のしびれ、筋力低下

椎間板ヘルニアの原因

椎間板ヘルニアの主な原因は、加齢による椎間板の変性です。

年齢を重ねるにつれて椎間板の水分が失われ、弾力性が低下することで、線維輪に亀裂が生じやすくなります。

その他にも、姿勢の悪さ重いものを持ち上げるなどの急激な負荷長時間のデスクワーク遺伝的要因などが原因として考えられます。

また、喫煙も椎間板の変性を促進する要因の一つとされています。

マッサージで椎間板ヘルニアに効果はあるの?

椎間板ヘルニアの痛みやしびれに悩まされている方にとって、マッサージは魅力的な選択肢の一つかもしれません。

しかし、本当に効果があるのでしょうか?

マッサージが椎間板ヘルニアにどのように作用するのか、そのメカニズムや効果的なマッサージの種類について詳しく解説します。

マッサージの効果とメカニズム

マッサージは、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげることで、椎間板ヘルニアによる痛みやしびれを軽減する効果が期待できます。

具体的には、マッサージによって筋肉の柔軟性が向上し、硬くなった筋肉が神経を圧迫することを防ぎます。

また、血行促進によって、炎症の原因となる物質の排出が促され、痛みの緩和につながります。

ただし、マッサージはヘルニアそのものを治すものではなく、あくまで症状を緩和するための対症療法であることを理解しておく必要があります。

強い痛みがある場合や、症状が悪化する場合は、マッサージを中止し、専門家にご相談ください。

椎間板ヘルニアに効果的なマッサージの種類

椎間板ヘルニアに効果的なマッサージの種類はいくつかあります。

それぞれの特徴を理解し、ご自身の症状に合ったものを選ぶことが重要です。

①スウェディッシュマッサージ

スウェディッシュマッサージは、オイルを用いた滑らかなストロークと揉捏を特徴とするマッサージです。

リラックス効果が高く、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進する効果があります。

比較的刺激が穏やかなので、痛みに敏感な方にもおすすめです。

 

②指圧マッサージ

指圧マッサージは、拇指や肘などを用いてツボを刺激するマッサージです。

筋肉の深部にまでアプローチすることで、血行促進や筋肉の緊張緩和、自律神経の調整などの効果が期待できます。

スウェディッシュマッサージよりも刺激が強いため、強いマッサージを好む方に向いています。

ただし、痛みが強い場合は施術者に伝えるようにしましょう。

マッサージの種類 特徴 効果 向き・不向き
スウェディッシュマッサージ オイルを使用、滑らかなストロークと揉捏 リラックス効果、血行促進、筋肉の緊張緩和 痛みに敏感な方、リラックスしたい方
指圧マッサージ 拇指や肘でツボを刺激 血行促進、筋肉の緊張緩和、自律神経調整 刺激の強いマッサージを好む方

 

鍼灸で椎間板ヘルニアに効果はあるの?

鍼灸は、東洋医学に基づいた伝統的な治療法で、肩こりや腰痛など様々な症状に用いられてきました。

椎間板ヘルニアに対しても、その効果が期待されています。

ただし、鍼灸が椎間板ヘルニアを直接的に治癒させるわけではありません。

鍼灸は、痛みや痺れなどの症状を緩和し、日常生活を楽にするための対症療法として捉えるべきです。

鍼灸の効果とメカニズム

鍼灸は、身体に鍼を刺したり、もぐさを燃やして温熱刺激を与えることで、様々な効果を発揮します。

椎間板ヘルニアに対しては、主に以下のメカニズムで効果が期待されます。

  • 血行促進効果:鍼灸刺激は、患部の血行を促進し、筋肉や神経への酸素供給を向上させます。これにより、筋肉の緊張が緩和され、痛みが軽減されます。
  • 鎮痛効果:鍼灸刺激は、脳内においてエンドルフィンなどの鎮痛物質の分泌を促すと考えられています。これらの物質は、モルヒネのような作用を持ち、痛みを和らげる効果があります。
  • 神経機能の調整:鍼灸刺激は、自律神経系に作用し、神経機能のバランスを整えます。これにより、筋肉の緊張や炎症が抑制され、痛みが軽減されます。

これらの効果により、鍼灸は椎間板ヘルニアに伴う痛みや痺れ、筋肉の硬直などを緩和する効果が期待できます。

しかし、効果には個人差があり、すべての人に効果があるとは限りません

鍼灸とマッサージの併用効果

鍼灸とマッサージを併用することで、それぞれの効果を高め合い、より高い治療効果が期待できます。

マッサージは、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進する効果があります。

一方、鍼灸は、マッサージでは届きにくい深部の筋肉や神経にアプローチすることができます。

施術 期待できる効果
マッサージ 筋肉の緩和、血行促進、疼痛緩和
鍼灸 鎮痛効果、神経機能調整、血行促進
マッサージと鍼灸の併用 相乗効果によるより高い疼痛緩和、機能改善

マッサージと鍼灸を併用することで、筋肉の緊張緩和、血行促進、神経機能調整といった効果が相乗的に働き、椎間板ヘルニアの症状改善に繋がると考えられます。

施術を受ける際は、自身の症状や体質に合った施術プランを相談してみましょう。

椎間板ヘルニアのマッサージと鍼灸の効果を高める方法

マッサージや鍼灸の効果を最大限に引き出すためには、施術を受ける際だけでなく、日常生活においても気を配ることが大切です。

施術の効果を高め、椎間板ヘルニアの症状改善を促進するためのポイントを詳しく解説します。

施術を受ける頻度とタイミング

施術の頻度やタイミングは、症状の程度や個々の状態によって異なります。

一般的には、症状が強い時期は集中的に施術を受け、慢性期に移行するにつれて頻度を減らしていくことが多いです。

痛みが強い時期は、週に2~3回程度の施術を受けることで、早期の症状緩和が期待できます。

痛みが落ち着いてきたら、週に1回、または月に数回程度に減らしていくと良いでしょう。

施術を受けるタイミングとしては、痛みが強くなる前、または痛みが少し落ち着いたタイミングがおすすめです。

痛みがピーク時に施術を受けるよりも、症状が悪化する前にケアをすることで、より効果的に症状を管理できます。

施術者とのコミュニケーション

施術の効果を高めるためには、施術者との良好なコミュニケーションが不可欠です。

施術を受ける際には、自身の症状や痛みの程度、日常生活での困りごとなどを具体的に伝えるようにしましょう。

また、施術中に痛みや違和感を感じた場合は、我慢せずにすぐに伝えることが重要です。

施術者は、患者からの情報を元に最適な施術プランを立てます。

施術後には、施術内容や今後のケアについて説明を受けることができます。

疑問点や不安な点があれば、遠慮なく質問することで、より安心して施術を受けることができます。

施術者と積極的にコミュニケーションを取ることで、相互理解を深め、より効果的な施術へと繋げることができます。

ポイント 詳細
施術前の情報提供 現在の症状、過去の病歴、日常生活での悩みなどを詳しく伝える
施術中のフィードバック 痛みや違和感を感じたら、すぐに施術者に伝える
施術後の質問 施術内容や自宅ケアに関する疑問点を解消する

自宅でできるセルフケアとの併用

プロの施術を受けるだけでなく、自宅でできるセルフケアを併用することで、相乗効果が期待できます。

セルフケアとして、ストレッチや軽い筋力トレーニング、正しい姿勢の保持などを日常生活に取り入れると良いでしょう。

ストレッチは、硬くなった筋肉をほぐし、血行を促進する効果があります。

筋力トレーニングは、体幹や背筋を強化することで、椎間板への負担を軽減する効果が期待できます。

正しい姿勢を保つことも、椎間板への負担を軽減するために重要です。

施術とセルフケアを組み合わせることで、より効果的に椎間板ヘルニアの症状改善を目指せます。

自宅でできる椎間板ヘルニアケア

椎間板ヘルニアの症状緩和には、専門家による施術と並行して、自宅でのセルフケアも重要です。

適切なケアを行うことで、症状の悪化を防ぎ、回復を促進することができます。

無理のない範囲で行い、痛みが増す場合はすぐに中止してください。

ストレッチ

ストレッチは、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで、椎間板ヘルニアによる痛みや痺れを軽減する効果が期待できます。

下記にいくつか効果的なストレッチを紹介しますが、痛みを感じない範囲でゆっくりと行うようにしてください。

①ハムストリングスのストレッチ

ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)の柔軟性を高めることで、腰への負担を軽減し、痛みを和らげることができます。

床に座り、片方の足を伸ばし、もう片方の足を曲げます。

伸ばした足のつま先に向かって上体を倒し、太ももの裏側に伸びを感じるところで30秒ほどキープします。

反対側も同様に行います。

 

②股関節のストレッチ

股関節周りの筋肉を柔らかくすることで、腰の可動域を広げ、痛みを軽減することができます。

仰向けに寝て、両膝を立てます。

片方の足をもう片方の太ももに乗せ、手で太ももを押さえながら胸に引き寄せます。

お尻に伸びを感じるところで30秒ほどキープします。

反対側も同様に行います。

筋力トレーニング

体幹(腹筋や背筋など、身体の中心部の筋肉)を鍛えることで、腰椎を安定させ、椎間板への負担を軽減することができます。

腰に負担をかけにくいトレーニングを選び、正しいフォームで行うことが大切です。

①ドローイン

仰向けに寝て、両膝を立てます。

息を吐きながらお腹をへこませ、お腹を薄くするイメージでキープします。

この時、腰は床につけたまま行います。

10秒キープを数回繰り返します。

 

②プランク

うつ伏せになり、肘とつま先を床につけます。

頭からかかとまでが一直線になるように身体を持ち上げます。

お腹に力を入れて、姿勢をキープします。

最初は10秒から始め、徐々に時間を延ばしていくようにしましょう。

日常生活での注意点

日常生活における姿勢や動作に気を付けることで、椎間板への負担を軽減し、症状の悪化を防ぐことができます。

以下の点に注意しましょう。

場面 注意点
座っている時 猫背にならないように、背筋を伸ばし、骨盤を立てて座る。長時間同じ姿勢を続けないようにし、こまめに休憩を取る。
立っている時 片足に重心をかけないように、両足に均等に体重をかける。長時間立っている場合は、台などに足を乗せて負担を軽減する。
物を持ち上げる時 腰を曲げずに、膝を曲げて持ち上げる。重い物はできるだけ持たないようにし、やむを得ず持つ場合は、両手で持ち、身体に近づけて運ぶ。
寝ている時 仰向けで寝る場合は、膝の下にクッションなどを置いて膝を軽く曲げる。横向きで寝る場合は、抱き枕などを抱えて寝る。

これらのセルフケアは、あくまで補助的なものです。

症状が改善しない場合や悪化する場合は、専門家にご相談ください。

まとめ

椎間板ヘルニアの痛みやしびれでお悩みの方にとって、マッサージと鍼灸は症状緩和の選択肢となり得ます。

マッサージは筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで痛みを軽減する効果が期待できます。

鍼灸も同様の効果に加え、神経系の調整作用も期待できます。

それぞれ異なるメカニズムで効果を発揮するため、症状や体質に合わせて施術方法を選択、あるいは併用することで相乗効果が期待できます。

施術効果を高めるためには、施術者とのコミュニケーションを密にし、適切な頻度とタイミングで施術を受けることが重要です。

さらに、自宅でのストレッチや筋力トレーニング、日常生活での姿勢の改善などのセルフケアを継続することで、より効果的に症状を改善し、再発予防にも繋がります。

お困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

執筆者

三郷駅前はりきゅう整骨院