椎間板ヘルニアとは?
椎間板ヘルニアとは、背骨の骨と骨の間にあるクッションの役割を果たす椎間板の一部が飛び出し、神経を圧迫することで痛みやしびれなどの症状を引き起こす疾患です。
椎間板は、中心部の髄核とそれを囲む線維輪から構成されています。
加齢や激しい運動、長時間のデスクワークなどによって線維輪に亀裂が生じ、髄核が飛び出すことでヘルニアが発生します。
椎間板ヘルニアの症状
椎間板ヘルニアの症状は、ヘルニアが発生した部位や神経の圧迫の程度によって様々です。
代表的な症状としては、腰や首の痛み、腕や足のしびれ、感覚の鈍麻、筋力低下などが挙げられます。
また、くしゃみや咳をした際に痛みが強くなることもあります。
症状が悪化すると、排尿・排便障害が起こる場合もあります。
椎間板ヘルニアの原因
椎間板ヘルニアの原因は、加齢による椎間板の変性、姿勢の悪さ、重いものを持ち上げるなどの急激な負荷、長時間のデスクワーク、激しいスポーツなど、様々な要因が考えられます。
遺伝的な要因も影響していると考えられています。
要因 | 詳細 |
加齢 | 年齢を重ねるにつれて椎間板の水分が減少し、弾力性が低下することで、線維輪に亀裂が生じやすくなります。 |
姿勢の悪さ | 猫背や反り腰などの悪い姿勢は、椎間板に負担をかけ、ヘルニアのリスクを高めます。 |
急激な負荷 | 重いものを持ち上げる、急に体をひねるなどの動作は、椎間板に大きな負担をかけ、ヘルニアを引き起こす可能性があります。 |
長時間のデスクワーク | 長時間同じ姿勢で座り続けることで、椎間板への負担が増加し、ヘルニアのリスクが高まります。 |
激しいスポーツ | サッカーやバスケットボール、柔道などの激しいスポーツは、椎間板に大きな負担をかけ、ヘルニアのリスクを高めます。 |
遺伝的要因 | 家族に椎間板ヘルニアの患者がいる場合、遺伝的にヘルニアになりやすい体質である可能性があります。 |
椎間板ヘルニアの種類
椎間板ヘルニアは、発生する部位によって大きく3つの種類に分けられます。
それぞれ症状や特徴が異なるため、ご自身の症状に合った適切なケアを行うことが重要です。
種類 | 発生部位 | 主な症状 |
頸椎椎間板ヘルニア | 首 | 首の痛み、肩こり、腕のしびれ、手の麻痺など |
胸椎椎間板ヘルニア | 背中 | 背中の痛み、胸の痛み、肋間神経痛、下肢のしびれなど |
腰椎椎間板ヘルニア | 腰 | 腰の痛み、足のしびれ、足の麻痺、排尿障害など |
頸椎椎間板ヘルニア
頸椎椎間板ヘルニアは、7つある頸椎の間で発生するヘルニアです。
デスクワークやスマートフォンの長時間使用など、首への負担が蓄積されることで発症しやすくなります。
首の痛みや肩こりの他に、腕や手のしびれ、麻痺といった症状が現れることもあります。
胸椎椎間板ヘルニア
胸椎椎間板ヘルニアは、12個ある胸椎の間で発生するヘルニアです。
他の椎間板ヘルニアと比べて発生頻度は低いですが、背中の痛みや胸の痛み、肋間神経痛、下肢のしびれなどの症状が現れることがあります。
高齢者や骨粗鬆症の方に多く見られます。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、5つある腰椎の間で発生するヘルニアです。
椎間板ヘルニアの中で最も発生頻度が高く、重いものを持ち上げる、中腰の姿勢を続ける、激しいスポーツをするなどの動作によって発症しやすくなります。
腰の痛みだけでなく、足のしびれや麻痺、排尿障害などの症状が現れることもあります。
椎間板ヘルニアの診断方法
椎間板ヘルニアの診断は、主に問診、神経学的検査、画像検査によって行われます。
問診
医師は、症状の発生時期、痛みの程度や種類、しびれの有無、日常生活での支障などについて詳しく質問します。
過去の病歴や仕事内容、生活習慣なども重要な情報となります。
神経学的検査
神経学的検査では、神経の機能や反射の状態を確認します。
具体的には、感覚の検査、筋力の検査、腱反射の検査などを行います。
①感覚の検査
皮膚の知覚を調べ、しびれや感覚の鈍麻があるかどうかを調べます。
②筋力の検査
特定の筋肉の力を測定し、筋力低下がないかを調べます。
③腱反射の検査
ハンマーで腱を叩き、反射の強さを確認します。
反射が亢進しているか、低下しているかなどを確認します。
画像検査
画像検査は、椎間板の状態を視覚的に確認するために重要な検査です。
主な画像検査には、レントゲン検査、MRI検査、CT検査などがあります。
検査の種類 | 検査内容 | メリット | デメリット |
レントゲン検査 | 骨の状態を確認する検査 | 簡便で費用が比較的安い | 椎間板の状態を直接確認することはできない |
MRI検査 | 椎間板の状態を詳細に確認できる検査 | 椎間板ヘルニアの診断に最も有用 | 費用が比較的高く、検査時間が長い場合がある。閉所恐怖症の方は検査が難しい場合がある。 |
CT検査 | 骨の状態を詳細に確認できる検査 | レントゲン検査よりも詳細な情報が得られる | MRI検査に比べると椎間板の状態の把握はやや劣る。被曝がある。 |
これらの検査結果を総合的に判断し、椎間板ヘルニアの確定診断を行います。
どの検査を行うかは、症状や医師の判断によって異なります。
椎間板ヘルニアの治療方法
椎間板ヘルニアの治療方法は、大きく分けて保存療法と手術療法の2種類があります。
症状の程度や経過、患者さんの状態に合わせて適切な治療法が選択されます。
保存療法
多くの椎間板ヘルニアは、保存療法で症状の改善が期待できます。
保存療法には、薬物療法、理学療法、牽引療法などがあります。
①薬物療法
痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤、消炎鎮痛剤、筋弛緩剤などが用いられます。
神経の炎症や痛みを抑える神経ブロック注射を行う場合もあります。
②理学療法
温熱療法や牽引療法、マッサージなどを用いて、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進します。
また、腰や背骨の負担を軽減するコルセットを装着することもあります。
理学療法士による指導のもと、患者さんの状態に合わせた運動療法を行うこともあります。
③牽引療法
機械を用いて腰椎や頸椎を牽引し、椎間板にかかる圧力を軽減することで、痛みやしびれの緩和を図ります。
手術療法
保存療法で効果が得られない場合や、神経の麻痺が進行している場合などは、手術療法が検討されます。
手術療法には、顕微鏡を用いてヘルニアを取り除く内視鏡下椎間板摘出術や、皮膚を小さく切開してヘルニアを取り除く経皮的椎間板摘出術など、様々な方法があります。
治療法 | 内容 | メリット | デメリット |
保存療法 | 薬物療法、理学療法、牽引療法など | 体に負担が少ない、多くの場合で有効 | 効果が出るまでに時間がかかる場合がある、重症例には不向き |
手術療法 | 内視鏡下椎間板摘出術、経皮的椎間板摘出術など | 即効性がある、重症例にも対応可能 | 体に負担がかかる、合併症のリスクがある |
どの治療法を選択するかは、患者さんの症状や状態、生活スタイルなどを考慮して決定されます。
医師とよく相談し、最適な治療法を選択することが大切です。
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