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鍼灸が椎間板ヘルニアによる足のしびれに効果的な理由
椎間板ヘルニアによる足のしびれに対し、鍼灸は古くから行われてきた治療法の一つです。
その効果のメカニズムは多岐に渡りますが、主なものとしては血行促進作用、鎮痛作用、筋肉の緩和作用が挙げられます。
これらの作用が複雑に絡み合い、症状の緩和に繋がると考えられています。
血行促進作用
鍼灸治療は、ツボへの刺激によって血行を促進し、患部周辺の組織への酸素供給や栄養供給を向上させます。
椎間板ヘルニアによって圧迫された神経周囲の血流が改善することで、神経の炎症が抑えられ、しびれの軽減に繋がります。
また、血行促進は老廃物の排出も促し、組織の修復を助けます。
鎮痛作用
鍼灸治療には、エンドルフィンなどの鎮痛物質の分泌を促進する作用があります。
エンドルフィンは、脳内でモルヒネのような働きをする神経伝達物質であり、痛みを和らげる効果があります。
また、鍼灸刺激は、痛みを伝える神経経路を抑制するゲートコントロールセオリーと呼ばれるメカニズムにも関与していると考えられています。
これらの作用により、椎間板ヘルニアによる足のしびれなどの痛みを軽減する効果が期待できます。
筋肉の緩和作用
椎間板ヘルニアによる足のしびれは、周辺の筋肉の緊張を伴うことが多くあります。
鍼灸治療は、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで、筋肉の柔軟性を高めます。
これにより、神経への圧迫を軽減し、しびれの緩和に繋がります。
また、筋肉の緊張が和らぐことで、痛みの軽減にも繋がると考えられています。
作用 | メカニズム | 効果 |
血行促進作用 | ツボ刺激による血流改善 | 神経への酸素・栄養供給向上、老廃物排出促進、組織修復促進 |
鎮痛作用 | エンドルフィン分泌促進、ゲートコントロールセオリーへの関与 | 痛み軽減 |
筋肉の緩和作用 | 筋肉の緊張緩和、血行促進 | 神経への圧迫軽減、柔軟性向上、痛み軽減 |
これらの作用は単独で働くのではなく、相互に影響し合いながら相乗効果を発揮することで、椎間板ヘルニアによる足のしびれの改善に繋がると考えられています。
個々の症状や体質によって効果の出方には差がありますが、鍼灸は身体に負担の少ない治療法として、しびれの改善に役立つ可能性があります。
椎間板ヘルニアによる足のしびれが鍼灸でいつ治るのか、治療期間の目安
椎間板ヘルニアによる足のしびれに対する鍼灸治療の期間は、症状の程度や個々の体質によって大きく異なります。
そのため、一概に「○日で治る」と断言することはできません。
あくまでも目安として、症状の程度別に治療期間の目安や、治療回数の目安、期間の短縮につながるポイントなどを以下に示します。
症状の程度による治療期間の違い
症状の程度によって、鍼灸治療に要する期間は大きく変わります。
軽度、中等度、重度の3段階に分けて、それぞれの治療期間の目安と、具体的な症状について解説します。
①軽度の症状の場合
比較的早期に改善が見込める軽度の症状の場合、しびれは軽微で、日常生活に大きな支障はありません。
例えば、長時間同じ姿勢でいると足がしびれるものの、少し動けばすぐに治まるといったケースです。
このような場合、週1~2回の鍼灸治療を2~4週間程度継続することで、症状の改善が期待できます。
個人差はありますが、早い方では数回の治療で効果を実感される方もいらっしゃいます。
②中等度の症状の場合
日常生活に支障が出始める中等度の症状の場合、しびれが強くなり、歩行や立ち仕事などに支障が出始めます。
安静にしていても常にしびれを感じ、痛みを伴う場合もあります。
このような場合、週2~3回の鍼灸治療を4~8週間程度継続する必要があるでしょう。
症状の改善にはある程度の期間が必要となるため、焦らずじっくりと治療に取り組むことが大切です。
③重度の症状の場合
日常生活に大きな支障が出る重度の症状の場合、しびれが非常に強く、日常生活に大きな支障をきたします。
歩行が困難になるだけでなく、排尿・排便障害などの症状が現れる場合もあります。
このような場合、週3回程度の鍼灸治療を3ヶ月以上継続する必要がある場合もあります。
他の治療法との併用も検討しながら、根気強く治療を続けることが重要です。
また、症状が重い場合は、鍼灸治療だけでなく、医師の診察を受けることも重要です。
症状の程度 | 治療期間の目安 | 治療回数の目安 | 具体的な症状 |
軽度 | 2~4週間 | 週1~2回 | 長時間同じ姿勢でいると足がしびれるが、少し動けば治まる |
中等度 | 4~8週間 | 週2~3回 | 安静時にもしびれを感じ、歩行や立ち仕事に支障が出る |
重度 | 3ヶ月以上 | 週3回程度 | しびれが強く、歩行が困難。排尿・排便障害などの症状が現れる場合も |
鍼灸治療の効果を高めるためには、日常生活での姿勢や運動にも気を配ることが重要です。
正しい姿勢を保ち、適度な運動を続けることで、症状の改善を促進し、再発を予防することができます。
また、鍼灸師の指示に従い、治療計画をしっかりと守ることも大切です。
治療期間や回数はあくまでも目安であり、個々の症状や体質によって異なります。
鍼灸師と相談しながら、最適な治療プランを立てていきましょう。
椎間板ヘルニアによる足のしびれを予防するための対策
椎間板ヘルニアによる足のしびれを予防するためには、日常生活での注意点を守り、適切な運動を行うことが重要です。
正しい姿勢や動作を意識することで、腰への負担を軽減し、椎間板ヘルニアの発症リスクを低減することができます。
また、適度な運動は、腰周りの筋肉を強化し、椎間板への負担を軽減する効果が期待できます。
日常生活での注意点
日常生活では、長時間同じ姿勢を続けることを避け、こまめに休憩を取り入れるようにしましょう。
デスクワークが多い方は、1時間に1回程度は立ち上がってストレッチをするなど、身体を動かす習慣をつけましょう。
また、重い物を持ち上げる際は、腰を曲げずに膝を曲げて持ち上げるように心がけ、腰への負担を最小限に抑えましょう。
中腰での作業も、腰に大きな負担をかけるため、できるだけ避け、作業台を使うなど工夫しましょう。
さらに、座る際には、背筋を伸ばし、浅く腰掛けず、深く座るようにしましょう。
足を組む癖がある方は、骨盤の歪みにつながる可能性があるため、意識して足を組まないようにしましょう。
適切な高さの椅子を使用し、必要に応じてクッションなどを活用して、正しい姿勢を保つように心がけてください。
睡眠時の姿勢にも注意が必要です。
柔らかすぎるマットレスは腰を支えきれず、逆に硬すぎるマットレスは身体に負担がかかり、どちらも腰痛の原因となる可能性があります。
適度な硬さのマットレスを選び、仰向けで寝る場合は膝の下にクッションを挟む、横向きで寝る場合は抱き枕を使うなど、腰への負担を軽減する工夫をしましょう。
適切な運動
適度な運動は、腰周りの筋肉を強化し、椎間板への負担を軽減する効果が期待できます。
ウォーキングや水泳など、腰に負担の少ない有酸素運動がおすすめです。
水中ウォーキングは、水の浮力によって腰への負担が軽減されるため、特におすすめです。
また、ヨガやピラティスなどの体幹トレーニングも、腰周りの筋肉を強化し、姿勢を改善する効果があります。
運動の種類 | 効果 | 注意点 |
ウォーキング | 全身の血行促進、筋力強化 | 正しい姿勢で歩く |
水泳 | 全身運動、腰への負担が少ない | 無理のない範囲で行う |
水中ウォーキング | 浮力による腰への負担軽減 | 水深に注意 |
ヨガ・ピラティス | 体幹強化、柔軟性向上 | 正しいフォームで行う |
ただし、痛みがある場合は運動を控え、安静にすることが大切です。
また、運動を始める際には、医師や専門家に相談し、自分に合った運動の種類や強度を選択するようにしましょう。
無理な運動は、症状を悪化させる可能性があります。
まとめ
椎間板ヘルニアによる足のしびれは、自然治癒する可能性もありますが、症状の程度によっては治療が必要となる場合もあります。
保存療法には薬物療法、理学療法、牽引療法などがあり、重症の場合は手術療法が選択されることもあります。
鍼灸治療は、血行促進、鎮痛、筋肉の緩和といった作用を通して、足のしびれの改善に効果が期待できます。
治療期間は症状の程度によって異なり、軽度であれば数週間、中等度では数ヶ月、重度の場合にはさらに長期間かかる可能性があります。
日常生活での注意点や適切な運動を行うことで、椎間板ヘルニアによる足のしびれの予防に繋がります。
お困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

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三郷駅前はりきゅう整骨院でございます。