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椎間板ヘルニアによる足のしびれに対する鍼灸治療の効果
椎間板ヘルニアによる足のしびれに対し、鍼灸治療は保存療法の一つとして注目されています。
西洋医学とは異なるアプローチで、症状の緩和を目指す鍼灸治療について、その効果やメカニズム、メリットなどを詳しく解説します。
鍼灸治療のメカニズム
鍼灸治療は、身体に鍼を刺したり、もぐさを燃やして温熱刺激を与えたりすることで、様々な効果を発揮します。
椎間板ヘルニアによる足のしびれに対しては、主に以下のメカニズムで効果が期待できます。
①筋肉の緊張緩和
椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されると、周囲の筋肉が緊張し、さらに神経を圧迫してしまう悪循環に陥ることがあります。
鍼治療は、緊張した筋肉を緩めることで、神経への圧迫を軽減し、しびれの緩和に繋がります。
トリガーポイントと呼ばれる、筋肉の硬結部位に鍼を刺入することで、より効果的に筋肉の緊張を緩和することができます。
②血行促進
血行不良も、しびれの原因の一つです。
鍼灸治療は、血行を促進することで、神経への酸素や栄養供給を改善し、しびれの改善を促します。
特に、温熱刺激を与えるお灸は、血行促進効果が高いとされています。
③鎮痛効果
鍼灸治療には、鎮痛効果のあるエンドルフィンなどの神経伝達物質の分泌を促進する作用があります。
これにより、椎間板ヘルニアに伴う痛みやしびれを軽減することができます。
また、炎症を抑える効果も期待できます。
鍼灸治療のメリット
鍼灸治療には、薬物療法や手術療法とは異なるメリットがあります。
以下に主なメリットをまとめました。
メリット | 詳細 |
身体への負担が少ない | 薬の副作用や手術による身体への負担を心配することなく、治療を受けることができます。 |
自然治癒力を高める | 身体本来の自然治癒力を高めることで、根本的な改善を目指します。 |
他の治療法と併用できる | 薬物療法や理学療法などと併用することで、相乗効果が期待できます。 |
リラックス効果 | 自律神経のバランスを整え、リラックス効果をもたらすため、精神的なストレスの軽減にも繋がります。 |
鍼灸治療は、身体への負担が少なく、自然治癒力を高めることができるため、椎間板ヘルニアによる足のしびれでお悩みの方にとって、有効な治療法の一つと言えるでしょう。
ただし、症状や体質によっては、鍼灸治療が適さない場合もありますので、専門家との相談が重要です。
椎間板ヘルニアによる足のしびれのセルフケア
椎間板ヘルニアによる足のしびれは、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
症状を和らげ、快適な生活を送るために、自宅でできるセルフケアを積極的に取り入れましょう。
セルフケアは医療機関での治療の代わりになるものではありませんが、症状の緩和や再発予防に効果が期待できます。
ご自身の症状に合った方法を選び、無理のない範囲で行うことが大切です。
ストレッチ
ストレッチは、硬くなった筋肉をほぐし、血行を促進することで、しびれの緩和に繋がります。
特に、お尻や太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)やふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)は、椎間板ヘルニアによる足のしびれに関係することが多いので、重点的にストレッチを行いましょう。
下記にいくつか効果的なストレッチをご紹介します。
ストレッチ名 | 方法 | 注意点 |
ハムストリングスのストレッチ | 仰向けに寝て、片方の足をまっすぐ上に上げます。上げた足の太ももの裏側を手で持ち、痛気持ちいい程度に伸ばします。 | 膝を曲げずに、ゆっくりと行いましょう。 |
下腿三頭筋のストレッチ | 壁に手をついて、片方の足を後ろに引きます。かかとを床につけたまま、アキレス腱を伸ばします。 | 背中を丸めないように注意しましょう。 |
梨状筋のストレッチ | 仰向けに寝て、両膝を立てます。片方の足をもう片方の足の太ももに乗せ、手で太ももを抱えて胸に引き寄せます。 | 無理に引き寄せすぎないように注意しましょう。 |
これらのストレッチは、1回につき20~30秒程度、数回繰り返すと効果的です。 痛みやしびれが強くなる場合は、すぐに中止してください。
マッサージ
マッサージは、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。
しびれを感じている部分を中心に、優しくマッサージを行いましょう。
特に、お尻や太ももの裏側、ふくらはぎなどは、入念にマッサージすることで効果が期待できます。
テニスボールやゴルフボールなどを床に置き、その上にしびれを感じている部分を乗せて、ゆっくりと転がすのも効果的です。
ただし、骨の出っ張っている部分や痛みを感じる部分へのマッサージは避けましょう。
姿勢の改善
悪い姿勢は、椎間板への負担を増大させ、症状を悪化させる可能性があります。 日頃から正しい姿勢を意識することで、椎間板への負担を軽減し、しびれの予防・改善に繋がります。
具体的には、以下の点に注意しましょう。
- 立っている時は、背筋を伸ばし、お腹を軽く引き締めます。
- 座っている時は、浅く腰掛けず、深く腰掛けて背もたれに寄りかかりましょう。足を組むのは避けましょう。
- 重いものを持ち上げる際は、膝を曲げて腰を落とすようにし、腰に負担がかからないようにしましょう。
これらのセルフケアは、継続して行うことで効果を発揮します。
毎日少しずつでも続けることで、足のしびれの改善や再発予防に繋がります。
ご自身の症状に合わせて、適切なセルフケアを行いましょう。
椎間板ヘルニアの予防法
椎間板ヘルニアは、一度発症すると再発のリスクも伴います。
日頃から予防を意識することで、ヘルニアによる足のしびれなどの症状を防ぎ、健康な生活を送る助けとなります。
正しい姿勢と動作
日常生活における姿勢や動作は、椎間板への負担に大きく影響します。
正しい姿勢を保ち、適切な動作を心がけることで、椎間板への負担を軽減し、ヘルニアの予防につながります。
①座り姿勢
デスクワークなどで長時間座る際は、背筋を伸ばし、骨盤を立てた姿勢を意識しましょう。
猫背のような姿勢は、椎間板への負担を増大させます。
椅子に深く腰掛け、背もたれを利用することで、正しい姿勢を維持しやすくなります。
また、足を組む癖も椎間板に負担をかけるため、避けましょう。
②立ち姿勢
立つ際は、左右の足に均等に体重をかけ、背筋を伸ばしましょう。
片方の足に重心を乗せたり、猫背になったりするのも、椎間板への負担を増大させる原因となります。
③物を持ち上げる
重い物を持ち上げる際は、膝を曲げて腰を落とし、背中をまっすぐに保ったまま持ち上げるようにしましょう。
腰を曲げて持ち上げると、椎間板に大きな負担がかかります。
また、持ち上げる物は身体の近くで持つようにし、できるだけ身体をねじらないように注意しましょう。
適度な運動
適度な運動は、腹筋や背筋を鍛え、体幹を強化することで、椎間板への負担を軽減し、ヘルニアの予防に効果的です。
ウォーキングや水泳など、腰に負担の少ない運動を選ぶことが大切です。
激しい運動や急に無理な運動をすることは、逆に椎間板を痛める可能性があるため、避けましょう。
体重管理
過剰な体重は、椎間板への負担を増大させ、ヘルニアのリスクを高めます。
バランスの取れた食事と適度な運動を心がけ、適正体重を維持することで、椎間板への負担を軽減し、ヘルニアの予防に繋がります。
睡眠
質の良い睡眠は、身体の疲労回復に重要です。
睡眠不足は、筋肉の緊張を高め、椎間板への負担を増大させる可能性があります。
毎日同じ時間に寝起きし、規則正しい生活リズムを保つことで、質の良い睡眠を得やすくなります。
また、自分に合った寝具を選ぶことも、質の良い睡眠に繋がります。
予防法 | 具体的な方法 |
正しい姿勢と動作 | 座る際は背筋を伸ばし骨盤を立てる、立つ際は左右の足に均等に体重をかけ背筋を伸ばす、物を持ち上げる際は膝を曲げて腰を落とし背中をまっすぐに保つ |
適度な運動 | ウォーキング、水泳など腰に負担の少ない運動を行う |
体重管理 | バランスの取れた食事と適度な運動で適正体重を維持する |
睡眠 | 規則正しい生活リズムを保ち、質の良い睡眠を確保する。自分に合った寝具を選ぶ。 |
まとめ
椎間板ヘルニアによる足のしびれは、神経根の圧迫や炎症、血行不良などが原因で起こります。
症状はしびれの範囲や程度、痛みの有無など様々で、日常生活にも大きな影響を与えます。
一般的な治療法には、薬物療法、理学療法、牽引療法などの保存療法と手術療法があります。
この記事では、保存療法の一つとして鍼灸治療の効果についても解説しました。鍼灸治療は、筋肉の緊張緩和、血行促進、鎮痛効果などが期待でき、身体への負担が少ないというメリットがあります。
さらに、ご自身で行えるセルフケアとして、ストレッチ、マッサージ、姿勢の改善なども効果的です。
椎間板ヘルニアを予防するためには、日頃から正しい姿勢を意識し、適度な運動を行うことが大切です。
お悩みの方は当院へご相談ください。

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三郷駅前はりきゅう整骨院でございます。