もう我慢できない!椎間板ヘルニアの痛みに効く対処法と鍼灸治療で早期改善を目指す~前編~

椎間板ヘルニアとは?その痛みと原因

椎間板ヘルニアは、腰や首に激しい痛みやしびれを引き起こす可能性のある、よくある疾患です。

日常生活に支障をきたすこともあり、適切な対処とケアが重要になります。

この章では、椎間板ヘルニアのメカニズム、症状、そしてなりやすい人の特徴について詳しく解説します。

椎間板ヘルニアのメカニズム

背骨は、椎骨と呼ばれる骨が積み重なって構成されています。

椎骨と椎骨の間には、クッションの役割を果たす椎間板が存在します。

この椎間板は、中心部の髄核とそれを囲む線維輪からできています。

椎間板ヘルニアは、この線維輪が何らかの原因で損傷し、中の髄核が飛び出して神経を圧迫することで、痛みやしびれなどの症状を引き起こします。

椎間板ヘルニアの症状

椎間板ヘルニアの症状は、ヘルニアが発生した部位や神経の圧迫の程度によって様々です。

代表的な症状は以下の通りです。

症状 説明
腰痛 腰部に感じる痛みは、椎間板ヘルニアの最も一般的な症状です。痛みの程度は、鈍痛から激痛まで様々です。
坐骨神経痛 お尻から太ももの裏、ふくらはぎ、足先にかけての痛みやしびれです。ヘルニアが腰部に発生した場合に多く見られます。
下肢のしびれ 足にしびれを感じることがあります。また、感覚が鈍くなることもあります。
筋力低下 足に力が入りにくくなることがあります。進行すると、歩行が困難になる場合もあります。
排尿・排便障害 頻尿、尿失禁、便秘などの症状が現れることがあります。これらの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。

椎間板ヘルニアになりやすい人の特徴

椎間板ヘルニアは、誰にでも起こりうる疾患ですが、特に以下のような特徴を持つ人は注意が必要です。

  • 長時間同じ姿勢で作業をする人(デスクワーク、運転手など)
  • 重いものを持ち上げる作業をする人
  • 猫背などの姿勢が悪い人
  • 運動不足の人
  • 喫煙者
  • 加齢による椎間板の変性が進んでいる人
  • 遺伝的な要因

これらの要因が重なることで、椎間板への負担が増加し、ヘルニアを発症するリスクが高まります。

日頃から正しい姿勢を意識し、適度な運動を心がけることが大切です。

椎間板ヘルニアの痛みが起こる原因

椎間板ヘルニアによる痛みは、様々な要因が複雑に絡み合って引き起こされます。

ここでは、主な原因を3つのカテゴリーに分けて詳しく解説します。

姿勢や動作の悪影響

日常生活における姿勢や動作の癖は、椎間板への負担を増大させ、ヘルニア発症のリスクを高める大きな要因となります。

具体的には下記のようなものが挙げられます。

  • 長時間のデスクワーク:長時間同じ姿勢で座り続けることで、腰への負担が蓄積し、椎間板への圧力が増加します。特に猫背の姿勢は、椎間板への負担をさらに増大させます。
  • 中腰での作業:中腰姿勢は、腰椎に大きな負担がかかり、椎間板を突出させるリスクを高めます。ガーデニングや洗車など、中腰での作業が多い方は注意が必要です。
  • 重いものを持ち上げる:重い物を持ち上げる際は、腰に瞬間的に大きな力が加わり、椎間板を損傷する可能性があります。特に、前かがみで持ち上げる動作は非常に危険です。
  • 急な動作や激しい運動:急な動きや激しいスポーツは、椎間板に大きな衝撃を与え、損傷や突出を引き起こす可能性があります。特に、ひねる動作を伴うスポーツは注意が必要です。

加齢による椎間板の変性

加齢に伴い、椎間板は水分を失い、弾力性が低下していきます。

この変性は誰にでも起こる現象ですが、変性が進むと椎間板がもろくなり、損傷しやすくなります。

  • 椎間板の弾力性の低下:加齢とともに椎間板の水分が失われ、クッション機能が低下します。そのため、外部からの衝撃を吸収しにくくなり、損傷しやすくなります。
  • 椎間板の繊維輪の脆弱化:椎間板の外側を覆う繊維輪も、加齢とともに強度が低下し、亀裂が生じやすくなります。この亀裂から椎間板の中にある髄核が飛び出すことで、ヘルニアが発生します。

日常生活での負担

日常生活における様々な要因が、椎間板への負担を増大させ、ヘルニアの痛みを悪化させる可能性があります。

要因 詳細
肥満 過剰な体重は、腰椎への負担を増大させ、椎間板ヘルニアのリスクを高めます。
喫煙 喫煙は、椎間板への血流を阻害し、変性を促進させる要因となります。
ストレス ストレスは、筋肉の緊張を高め、血行不良を引き起こすため、椎間板ヘルニアの痛みを悪化させる可能性があります。
睡眠不足 睡眠不足は、体の回復力を低下させ、痛みを悪化させる要因となります。質の良い睡眠を確保することは、椎間板ヘルニアの痛みの改善に重要です。

これらの要因が単独で、あるいは複数組み合わさって椎間板ヘルニアの痛みを引き起こします。

自身の生活習慣を振り返り、改善できる点がないか確認してみましょう。

椎間板ヘルニアの痛みが強い時の緊急対処法

椎間板ヘルニアの痛みが急に強くなった時は、まずは落ち着いて適切な処置をすることが大切です。

焦らず、以下の3つのポイントを意識して対処しましょう。

安静とアイシングで炎症を抑える

痛みが強い時は、まず安静にすることが重要です。

無理に動くと症状が悪化する可能性があります。

楽な姿勢で横になり、炎症を抑えるために患部にアイシングをしましょう。

氷水を入れた袋や保冷剤をタオルで包み、15~20分程度冷やしてください。

これを数時間おきに繰り返します。

ただし、冷やしすぎには注意し、凍傷にならないように気をつけましょう。

コルセットで腰をサポートする

安静にするのと同時に、コルセットを着用することで腰を安定させ、痛みを軽減することができます。

コルセットは、腰椎への負担を軽減し、正しい姿勢を保つのに役立ちます。

ドラッグストアなどで市販されているコルセットで構いません。

適切なサイズを選び、締め付けすぎないように装着しましょう。

ただし、コルセットはあくまで一時的な対処法です。

長時間の着用は、腹筋や背筋の衰えにつながる可能性があるので、痛みが落ち着いたら徐々に外すようにしましょう。

痛みが強い時期は、コルセットの着用と安静を組み合わせて、腰への負担を最小限に抑えることが大切です。

痛みが強い時の薬の服用

痛みが激しい場合は、市販の鎮痛剤を服用することも有効です。

アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの成分が含まれた鎮痛剤は、痛みや炎症を抑える効果があります。

用法・用量を守って服用しましょう。

ただし、持病がある方や他の薬を服用している方は、医師や薬剤師に相談してから服用するようにしてください。

また、鎮痛剤はあくまで一時的な対処法であり、根本的な解決にはなりません。痛みが続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

対処法 目的 注意点
安静 炎症の悪化を防ぐ 無理に動かない
アイシング 炎症を抑える 凍傷に注意、15~20分を目安に
コルセット着用 腰をサポートする 締め付けすぎない、長時間の着用は避ける
鎮痛剤服用 痛みを軽減する 用法・用量を守る、持病がある場合は医師に相談

これらの緊急対処法は、あくまで一時的な痛みの緩和を目的としたものです。

痛みが長引く場合や、しびれなどの症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしてください。

椎間板ヘルニアの痛みを和らげるための対処法

椎間板ヘルニアの痛みを効果的に和らげ、再発を防ぐためには、日常生活でのケアが重要です。

ここでは、痛みを和らげるための具体的な対処法をいくつかご紹介します。

正しい姿勢を保つ

正しい姿勢を保つことは、椎間板への負担を軽減し、痛みを和らげるために非常に大切です。

立っている時は、背筋を伸ばし、お腹に軽く力を入れて、骨盤を立てるように意識しましょう。

座っている時は、浅く腰掛けず、深く座り、背もたれに寄りかかるようにしましょう。

長時間同じ姿勢を続ける場合は、こまめに休憩を取り、軽いストレッチを行うようにしてください。

適度な運動で筋肉を鍛える

適度な運動は、腰周りの筋肉を強化し、椎間板を支える力を高める効果があります。

ウォーキングや水泳など、腰に負担の少ない運動を選び、無理のない範囲で行いましょう。

痛みがある場合は、運動前に医師や鍼灸師に相談することをおすすめします。

水中ウォーキングは、浮力によって腰への負担が軽減されるため、特におすすめです。

また、腰痛体操など、専門家指導のもとで行う運動も効果的です。

ストレッチで柔軟性を高める

ストレッチは、筋肉の柔軟性を高め、血行を促進することで、痛みを和らげる効果があります。

腰をひねるストレッチや、前屈、後屈などのストレッチを、無理のない範囲で行いましょう。

入浴後など、体が温まっている時に行うと、より効果的です。

痛みがある場合は、無理にストレッチを行わず、医師や鍼灸師に相談してください。

日常生活での注意点

日常生活においても、椎間板への負担を軽減するための工夫が必要です。

重いものを持ち上げる際は、膝を曲げて腰を落とすようにし、背中ではなく、脚の力を使って持ち上げるようにしましょう。

また、長時間のデスクワークや車の運転など、同じ姿勢を続ける場合は、こまめに休憩を取り、軽いストレッチや軽い運動を行うように心がけてください。

シーン 注意点
睡眠 硬めのマットレスを選び、仰向けで寝る場合は膝の下にクッションを敷き、横向きで寝る場合は抱き枕を使うなど、腰への負担を軽減するようにしましょう。
入浴 湯船に浸かることで、血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。シャワーだけでなく、湯船に浸かることをおすすめします。
衣服 締め付けの強い衣服は、血行を阻害する可能性があるため、避けるようにしましょう。ゆったりとした衣服を着用するように心がけてください。
食事 バランスの取れた食事を摂ることで、健康な体を維持し、椎間板への負担を軽減することに繋がります。特に、カルシウムやビタミンDなど、骨や筋肉の健康に欠かせない栄養素を積極的に摂取するようにしましょう。

 

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もう我慢できない!椎間板ヘルニアの痛みに効く対処法と鍼灸治療で早期改善を目指す~後編~

執筆者

三郷駅前はりきゅう整骨院