つらい首・頚椎ヘルニア!鍼灸で失敗しないために「やってはいけないこと」7選~後編~

鍼灸治療を受ける際の注意点

首や頚椎のヘルニアによる痛みやしびれは、日常生活に大きな支障をきたすものです。

鍼灸治療は、これらの症状緩和に効果が期待できる一方で、注意すべき点もいくつかあります。

安全かつ効果的に鍼灸治療を受けるために、施術前後の注意点や、施術者とのコミュニケーションの重要性について理解しておきましょう。

施術前の問診の重要性

鍼灸治療を始める前に、施術者との綿密な問診が非常に重要です。

現在の症状、過去の病歴、アレルギーの有無、服用中の薬などを正確に伝えることで、施術者はあなたに最適な治療方針を立てることができます。

些細なことでも隠さず伝えることが、安全で効果的な治療につながります。

問診では、痛みの程度、しびれの範囲、発症時期、日常生活での支障などについて具体的に説明しましょう。

また、過去に受けた治療や、現在服用している薬があれば、その詳細も伝えることが大切です。

施術者はこれらの情報をもとに、鍼灸治療の適応性を判断し、適切な施術プランを提案します。

問診で確認すべきポイント

確認事項 詳細
現在の症状 痛みの部位、種類(鋭い痛み、鈍い痛みなど)、しびれの範囲、程度
過去の病歴 既往症、手術歴、アレルギーの有無
服用中の薬 薬の種類、服用量、服用期間
生活習慣 睡眠時間、食生活、運動習慣、仕事内容

 

施術後の過ごし方

鍼灸治療後は、体がリラックスした状態になっています。

施術の効果を持続させるためにも、激しい運動や長時間の同じ姿勢を避けるようにしましょう。

また、十分な休息を取り、体を温めることも大切です。

施術後、体に異変を感じた場合は、すぐに施術者に相談しましょう。

施術直後は、体が温まっているため、急に冷やすと体調を崩す可能性があります

温かい服装で帰宅し、湯冷めに注意しましょう。

また、アルコール摂取も控えることが望ましいです。

施術の効果を最大限に引き出すために、施術者から指示された注意事項をよく守り、適切なアフターケアを心がけましょう。

施術後に気を付けること

注意点 理由
激しい運動を避ける 患部への負担を軽減するため
長時間の同じ姿勢を避ける 血行不良を防ぎ、回復を促進するため
体を冷やさない 筋肉の緊張を和らげ、痛みを悪化させないため
十分な休息を取る 体の回復力を高めるため
アルコール摂取を控える 血行が促進されすぎて、炎症が悪化する可能性があるため

首・頚椎ヘルニアに効果的なセルフケア

首・頚椎ヘルニアの症状緩和には、専門家による施術と並行して、毎日のセルフケアが重要です。

正しいセルフケアを実践することで、症状の悪化を防ぎ、回復を促進することができます。

ここでは、首・頚椎ヘルニアに効果的なセルフケアの方法を具体的にご紹介します。

正しい姿勢の保持

日常生活における姿勢は、首・頚椎ヘルニアの症状に大きく影響します。

猫背や前かがみの姿勢は、首や肩への負担を増大させ、痛みやしびれを悪化させる可能性があります。

正しい姿勢を意識することで、首や肩への負担を軽減し、症状の改善に繋げることができます。

座り姿勢

デスクワークやパソコン作業など、長時間座っている際は、背筋を伸ばし、顎を引いた状態を保つように心がけましょう。

椅子に深く腰掛け、足の裏全体が床につくように調整することも大切です。

モニターの位置は目線よりやや下に設定し、画面との距離を適切に保つことで、首への負担を軽減できます。

 

立ち姿勢

立っている時は、お腹に軽く力を入れて背筋を伸ばし、顎を軽く引くことを意識しましょう。

体重が片足に偏らないように、両足に均等に体重をかけることも重要です。

鞄を持つ際は、左右の肩に均等に重さがかかるように工夫し、長時間同じ側で持たないように注意しましょう。

 

睡眠時の姿勢

睡眠時の姿勢も、首・頚椎ヘルニアの症状に影響を与えます。

高すぎる枕や低すぎる枕は、首に負担をかけるため避け、自分に合った高さの枕を選びましょう。

仰向けで寝る場合は、頸椎の自然なカーブを維持できるような形状の枕がおすすめです。

横向きで寝る場合は、肩と首の高さを埋める厚みのある枕を選び、首が傾かないように注意しましょう。

適度な運動

首・頚椎ヘルニアの症状があるからといって、全く運動をしないのは逆効果です。

適度な運動は、血行を促進し、筋肉を強化することで、症状の改善に役立ちます。

ただし、激しい運動や痛みを伴う運動は避け、自分の体に合った運動を無理なく行うことが大切です。

①ウォーキング

ウォーキングは、全身の血行を促進し、筋肉を強化するのに効果的な運動です。

無理のないペースで、30分程度を目安に行いましょう。

正しい姿勢を意識しながら歩くことで、首や肩周りの筋肉も鍛えられます。

②ストレッチ

首や肩周りのストレッチは、筋肉の緊張を和らげ、柔軟性を高める効果があります。

痛みを感じない範囲で、ゆっくりと呼吸をしながら行うことが大切です。

首を左右に傾けたり、回したりするストレッチや、肩甲骨を動かすストレッチなどがおすすめです。

下記の表を参考に、自分に合ったストレッチを見つけて実践してみましょう。

ストレッチの種類 方法 注意点
首の傾斜 頭をゆっくりと左右に傾ける。 痛みを感じない範囲で行う。
首の回転 頭をゆっくりと左右に回す。 無理に回さない。
肩甲骨回し 両肩を大きく回す。 肩甲骨を意識して動かす。
肩すくめ 肩をすくめてゆっくりと力を抜く。 呼吸に合わせて行う。

 

温熱療法

温熱療法は、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。

首や肩周りを温めることで、痛みやしびれの緩和に繋がるでしょう。

温熱療法には、蒸しタオルやホットパック、温湿布など、様々な方法があります。

自分に合った方法を選び、実践してみましょう。

①蒸しタオル

タオルを濡らして電子レンジで温め、首や肩に当てます。

火傷に注意し、適温で使用するようにしましょう。

②ホットパック

市販のホットパックや、お湯を入れた湯たんぽなどを利用します。

低温火傷に注意し、長時間同じ場所に当て続けないようにしましょう。

③温湿布

ドラッグストアなどで市販されている温湿布を使用します。

使用上の注意をよく読んでから使用するようにしましょう。

かぶれなどが生じた場合は、すぐに使用を中止しましょう。

これらのセルフケアは、首・頚椎ヘルニアの症状緩和に役立ちますが、あくまで補助的な役割です。

症状が改善しない場合や悪化した場合は、自己判断せずに専門家に相談することが重要です。

鍼灸以外の治療法

首・頚椎ヘルニアの治療には、鍼灸以外にも様々な選択肢があります。

症状や進行度、個々の状況に合わせて最適な治療法を選択することが重要です。

ここでは、代表的な治療法をいくつかご紹介します。

薬物療法

痛みやしびれなどの症状を緩和するために、様々な薬物が用いられます。

鎮痛薬

痛みを軽減するための薬です。

非ステロイド性抗炎症薬は炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。

ロキソニンやボルタレンなどが代表的な薬です。

②筋弛緩薬

筋肉の緊張を和らげ、痛みやしびれを軽減する薬です。

ミオナールやテルネリンなどが用いられます。

③神経障害性疼痛治療薬

神経の損傷による痛みやしびれに効果的な薬です。

リリカやサインバルタなどが処方されることがあります。

理学療法

理学療法士による指導のもと、運動療法や物理療法などを行い、身体機能の回復を目指します。

①牽引療法

首を牽引することで、圧迫されている神経を解放し、痛みやしびれを軽減します。

②温熱療法

患部を温めることで、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげます。

ホットパックや赤外線照射などが用いられます。

③運動療法

首や肩周りの筋肉を強化し、柔軟性を高めることで、再発予防や症状の改善を目指します。

理学療法士の指導のもと、適切な運動を行うことが重要です。

理学療法の種類 効果 注意点
牽引療法 神経の圧迫を軽減し、痛みやしびれを和らげる 適切な強さで実施することが重要。過度な牽引は逆効果になる場合も。
温熱療法 血行促進、筋肉の緊張緩和 炎症が強い場合は悪化させる可能性もあるため、注意が必要。
運動療法 筋力強化、柔軟性向上、再発予防 痛みのない範囲で、無理なく行うことが大切。

 

手術療法

保存療法で効果が得られない場合や、神経の圧迫が強い場合に検討される治療法です。

①前方固定術

頸椎の椎間板を切除し、人工骨を挿入して固定する手術です。

②後方椎弓形成術

頸椎の後方から骨の一部を除去し、神経の圧迫を解除する手術です。

手術療法は身体への負担が大きいため、慎重に検討する必要があります。

医師とよく相談し、メリットとデメリットを理解した上で、最終的に判断しましょう。

これらの治療法は、単独で行われることもあれば、組み合わせて行われることもあります。

症状や状態に合わせて、最適な治療法を選択することが大切です。

どの治療法が自分に合っているのかわからない場合は、専門家にご相談ください。

まとめ

首・頚椎ヘルニアによる痛みやしびれは、日常生活に大きな支障をきたします。

鍼灸治療は、これらの症状緩和に効果が期待できる選択肢の一つですが、適切な施術を受けることが重要です。

この記事では、鍼灸治療を受ける際に「やってはいけないこと」7選を紹介しました。

激しい痛みがある時や専門知識のない施術者による施術は避け、施術後の激しい運動や長時間の同じ姿勢、冷えにも注意が必要です。

自己流のストレッチやマッサージも悪化させる可能性があるため控え、医師との連携も大切です。

問診や施術後の過ごし方にも気を配り、正しい姿勢の保持や適度な運動、温熱療法などのセルフケアも併用することで、より効果的な改善を目指しましょう。

鍼灸以外の治療法として、薬物療法、手術療法、理学療法なども存在します。

ご自身の症状や状況に合わせて、最適な治療法を選択することが大切です。

つらい首・頚椎ヘルニアの症状でお悩みの方は、この記事を参考に、より安全で効果的な鍼灸治療を受けていただければ幸いです。

何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

執筆者

三郷駅前はりきゅう整骨院