↓↓前編はこちらから↓↓
ヘルニアの治療法
ヘルニアの治療法は、症状の程度や種類、患者さんの状態によって異なります。
大きく分けて保存療法と手術療法の2種類があり、それぞれに様々な方法があります。
保存療法
保存療法は、手術をせずにヘルニアの症状を緩和する方法です。
多くの場合、まず保存療法が試みられます。
保存療法には、薬物療法、理学療法、装具療法などがあります。
薬物療法
痛みや炎症を抑える薬を服用します。
鎮痛剤や非ステロイド性抗炎症薬などが用いられます。神経の炎症や痛みを抑える薬として、プレガバリンやミロガバリンなども処方されることがあります。
理学療法
ストレッチや筋力トレーニングなどを行い、患部の周りの筋肉を強化することで、ヘルニアへの負担を軽減します。
牽引療法なども行われることがあります。
理学療法士の指導のもと、適切な運動を行うことが重要です。
コルセットなどの装具療法
コルセットやサポーターを装着することで、患部を安定させ、痛みを軽減します。
腰椎コルセットや頸椎カラーなど、ヘルニアの種類に合わせて適切な装具が選択されます。
手術療法
保存療法で効果が見られない場合や、症状が重い場合には、手術療法が検討されます。
手術には様々な方法がありますが、主なものとしては、椎間板ヘルニア摘出術、内視鏡下手術、人工椎間板置換術などがあります。
手術方法 | 概要 | メリット | デメリット |
椎間板ヘルニア摘出術 | ヘルニアになった椎間板の一部または全部を切除する手術 | 確実なヘルニアの除去が可能 | 侵襲が大きい、入院期間が長い場合がある |
内視鏡下手術 | 小さな切開部から内視鏡を挿入し、ヘルニアを切除する手術 | 侵襲が少ない、回復が早い | すべての症例に適用できるわけではない |
人工椎間板置換術 | 損傷した椎間板を人工椎間板に置き換える手術 | 椎間板の機能を維持できる | 人工物を使用するため、長期的な経過観察が必要 |
手術療法を選択する際には、それぞれのメリット・デメリットを理解し、医師とよく相談することが重要です。
手術後も、再発を防ぐために、リハビリテーションを継続することが大切です。
ヘルニアと鍼灸治療の関係性
ヘルニアの痛みやしびれに悩まされている方の中には、鍼灸治療に興味を持っている方もいるのではないでしょうか。
西洋医学的な治療とは異なるアプローチで、体に負担が少ないイメージのある鍼灸治療ですが、ヘルニアにどのような効果が期待できるのでしょうか。
この章では、ヘルニアと鍼灸治療の関係性について詳しく解説していきます。
鍼灸治療が有効な理由
鍼灸治療は、東洋医学に基づいた治療法で、身体に鍼を刺したり、灸で温めたりすることで、身体の自然治癒力を高め、痛みや炎症を緩和する効果が期待できます。
ヘルニアの場合、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで、神経への圧迫を軽減し、痛みやしびれの緩和につながると考えられています。
また、鍼灸治療は、鎮痛効果のあるエンドルフィンなどの神経伝達物質の分泌を促進するともいわれており、痛みを根本から改善する効果も期待できます。
鍼灸治療による痛みの緩和メカニズム
鍼灸治療による痛みの緩和メカニズムは、まだ完全には解明されていませんが、いくつかの説が提唱されています。主なメカニズムは以下の通りです。
メカニズム | 説明 |
ゲートコントロールセオリー | 鍼刺激が、痛みを伝える神経よりも速く脳に伝わることで、痛みの信号が脳に伝わるのを抑制するという説。 |
内因性オピオイドの放出 | 鍼刺激が、脳内でモルヒネのような鎮痛作用を持つ内因性オピオイドの放出を促進するという説。 |
血行促進作用 | 鍼灸刺激が、患部の血行を促進することで、筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減するという説。 |
自律神経系の調整作用 | 鍼灸刺激が、自律神経系のバランスを整えることで、痛みを抑制するという説。 |
鍼灸治療の注意点とリスク
鍼灸治療は比較的安全な治療法ですが、感染症や内出血などのリスクもゼロではありません。
施術前に、しっかりと説明を受け、疑問点があれば質問するようにしましょう。
妊娠中の方や、出血性疾患のある方、ペースメーカーを使用している方などは、施術を受ける前に医師に相談する必要があります。
鍼灸治療を受ける上での注意点
・施術前に、自分の症状や体質について詳しく伝える
・施術中に痛みや違和感があれば、すぐに伝える
・施術後は、安静にする
鍼灸治療と他の治療法との併用
鍼灸治療は、他の治療法と併用することで、より効果を高めることができます。
例えば、薬物療法や理学療法と組み合わせることで、痛みの緩和や機能回復を促進することが期待できます。
医師と相談しながら、自分に合った治療法を選択していくことが大切です。
ヘルニアの状態によっては、鍼灸治療だけでは十分な効果が得られない場合もあります。
手術が必要な場合は、医師の指示に従い、適切な治療を受けるようにしましょう。
ヘルニアの予防方法
ヘルニアは、一度発症すると日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
そのため、日頃から予防を心がけることが重要です。
ここでは、ヘルニアの予防に効果的な方法を具体的に解説します。
正しい姿勢を保つ
悪い姿勢は、体に負担をかけ、ヘルニアのリスクを高めます。
デスクワークやスマートフォンの使用などで長時間同じ姿勢を続ける場合は、特に注意が必要です。
正しい姿勢を意識し、こまめに休憩を取り、ストレッチを行うようにしましょう。
具体的な姿勢のポイント
・立っている時は、背筋を伸ばし、お腹を軽く引き締めます。
・座っている時は、深く腰掛け、背もたれに寄りかかり、足を床につけます。
・重いものを持ち上げる時は、膝を曲げて腰に負担をかけないようにします。
適度な運動
運動不足は、筋力の低下を招き、ヘルニアのリスクを高めます。
適度な運動は、腹筋や背筋を鍛え、体幹を安定させる効果があります。
ウォーキング、水泳、ヨガなど、自分に合った運動を継続的に行いましょう。
激しい運動は逆効果になる場合があるので、無理のない範囲で行うことが大切です。
おすすめの運動
運動の種類 | 効果 | 注意点 |
ウォーキング | 全身の血行促進、筋力強化 | 正しい姿勢で行う |
水泳 | 浮力による腰への負担軽減、全身運動 | 水温に注意 |
ヨガ | 柔軟性向上、体幹強化、リラックス効果 | 無理なポーズは避ける |
バランスの取れた食事
栄養バランスの取れた食事は、健康な骨や筋肉を維持するために不可欠です。
カルシウム、タンパク質、ビタミンDなどを積極的に摂取しましょう。
また、肥満もヘルニアのリスクを高めるため、適切なカロリー摂取を心がけることも重要です。
積極的に摂取したい栄養素
・カルシウム:骨や歯を形成
・タンパク質:筋肉の構成成分
・ビタミンD:カルシウムの吸収を促進
体重管理
過剰な体重は、腰への負担を増大させ、ヘルニアのリスクを高めます。
適正体重を維持するために、バランスの取れた食事と適度な運動を心がけましょう。
特に内臓脂肪の蓄積は、腰への負担を大きくするため、食生活の見直しや運動習慣の確立が重要です。
ダイエットを行う場合は、急激な減量ではなく、緩やかに体重を落とすように心がけてください。
これらの予防策を実践することで、ヘルニアのリスクを軽減し、健康な生活を送ることに繋がります。
日頃から意識して生活に取り入れてみましょう。
まとめ
この記事では、ヘルニアになる原因、症状、診断方法、治療法、そして鍼灸治療との関係性について解説しました。
ヘルニアは、組織の一部が本来あるべき場所から飛び出すことで様々な症状を引き起こす疾患です。
椎間板ヘルニアや鼠径ヘルニアなど、種類も様々で、加齢や姿勢の悪さ、重いものを持ち上げるといった物理的な負担、遺伝的要因、妊娠・出産、肥満などが原因となることが分かりました。
痛みやしびれ、運動麻痺、排尿・排便障害といった症状が現れた場合は、医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。
治療法としては、薬物療法、理学療法、装具療法などの保存療法と、手術療法があります。
保存療法で改善が見られない場合や、症状が重い場合は手術が検討されます。
鍼灸治療は、ヘルニアに伴う痛みやしびれの緩和に効果が期待できる代替療法の一つです。
筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで症状の改善を促すと考えられています。
ただし、鍼灸治療は万能ではなく、他の治療法との併用も視野に入れながら、ご自身の症状に合った治療法を選択することが大切です。
ヘルニアを予防するためには、正しい姿勢を保つ、適度な運動をする、バランスの取れた食事を摂る、体重管理を心がけるといった生活習慣の改善が重要です。
何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

お電話ありがとうございます、
三郷駅前はりきゅう整骨院でございます。