腰痛とすべり症の意外な関係|鍼灸で根本原因にアプローチ!~後編~

すべり症による腰痛を予防するための対策

すべり症による腰痛は、日常生活のちょっとした心がけで予防できる可能性が高まります。

日頃から意識してケアに取り組むことで、腰への負担を軽減し、快適な毎日を送りましょう。

正しい姿勢を意識する

正しい姿勢を維持することは、腰への負担を軽減し、すべり症の予防に繋がります。

立っているときは、背筋を伸ばし、お腹を軽く引き締めた状態を保ちましょう。

座っているときは、深く腰掛け、背もたれに寄りかかり、足を床にしっかりとつけます。

猫背にならないように注意し、パソコン作業など長時間同じ姿勢を続ける場合は、こまめに休憩を取り、軽いストレッチを行うと良いでしょう。

適度な運動で筋力をつける

腰回りの筋肉を鍛えることで、腰椎を支える力が強くなり、すべり症の予防に効果的です。

ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、腰への負担が少なく、筋力強化にも繋がります。

また、腹筋や背筋を鍛えるトレーニングも効果的です。

ただし、激しい運動や無理な姿勢での運動は逆効果になる場合があるので、自分の体力に合った運動を選び、徐々に強度を上げていくようにしましょう。

おすすめの運動

・ウォーキング:30分程度のウォーキングを週に数回行う。

・水泳:水中ウォーキングやクロールなど、腰に負担の少ない泳ぎ方を選ぶ。

・ドローイン:お腹をへこませることで、腹横筋を鍛えることができる。

・プランク:体幹を鍛えることで、腰椎の安定性を高める。

ストレッチで柔軟性を高める

筋肉の柔軟性を高めることは、腰の可動域を広げ、血行を促進し、すべり症による腰痛の予防に役立ちます。

ストレッチは、入浴後や就寝前など、体が温まっている時に行うのが効果的です。

腰をねじるストレッチや、前屈、後屈などのストレッチを無理のない範囲で行いましょう。

痛みを感じる場合は、すぐに中止してください。

おすすめのストレッチ

・ハムストリングスのストレッチ:太ももの裏側の筋肉を伸ばすことで、骨盤の歪みを整える。

・腸腰筋のストレッチ:股関節の前面にある筋肉を伸ばすことで、腰の柔軟性を高める。

・大殿筋のストレッチ:お尻の筋肉を伸ばすことで、腰への負担を軽減する。

体重管理

過剰な体重は腰への負担を増大させ、すべり症のリスクを高めます。

バランスの良い食事と適度な運動を心がけ、適正体重を維持することで、腰への負担を軽減し、すべり症を予防しましょう。

日常生活で気を付けること

日常生活における動作や習慣を見直すことで、すべり症による腰痛を予防することができます。

以下の点に注意し、腰への負担を軽減しましょう。

重いものを持ち上げるときの注意点

重いものを持ち上げるときは、膝を曲げ、腰を落として、背中をまっすぐな状態を保ちながら持ち上げるようにしましょう。

腰を回転させたり、急に持ち上げたりすると、腰に大きな負担がかかり、すべり症のリスクを高めます。

また、重い荷物を持つ際は、リュックサックなど両肩で均等に重さを分散できるバッグを使用し、片側だけに負担がかからないようにしましょう。

長時間同じ姿勢を続けない

デスクワークや車の運転など、長時間同じ姿勢を続ける場合は、30分~1時間ごとに休憩を取り、軽いストレッチや体操を行うようにしましょう。

同じ姿勢を続けることで、筋肉が緊張し、血行が悪くなり、腰痛を引き起こす原因となります。

休憩時間には、立ち上がって歩いたり、軽いストレッチを行うことで、筋肉の緊張をほぐし、血行を促進することができます。

適切な睡眠

質の良い睡眠は、体の疲れを癒し、筋肉の修復を促すため、すべり症の予防にも重要です。

睡眠不足は、筋肉の緊張を高め、腰痛を悪化させる可能性があります。

自分に合った寝具を選び、睡眠時間を確保することで、腰への負担を軽減し、すべり症の予防に繋げましょう。

寝姿勢としては、仰向けで寝る場合は膝の下にクッションを置き、横向きで寝る場合は抱き枕を使用することで、腰への負担を軽減することができます。

項目 詳細
睡眠時間 7~8時間程度の睡眠を確保する
寝具 体に合ったマットレスや枕を使用する
寝姿勢 仰向けまたは横向きで寝る。うつぶせ寝は避ける
睡眠環境 静かで暗い部屋で寝る

鍼灸以外のすべり症の腰痛治療法

すべり症による腰痛の治療法は鍼灸以外にもいくつかあります。

症状や状態に合わせて適切な治療法を選択することが大切です。

薬物療法

痛み止めや炎症を抑える薬を服用することで、痛みを軽減することができます。

痛みや炎症が強い場合に有効ですが、根本的な解決にはならないため、他の治療法と併用されることが多いです。

・消炎鎮痛剤

炎症を抑え、痛みを軽減する効果があります。

ロキソプロフェンナトリウムやイブプロフェンなど、様々な種類があります。

 

・筋弛緩薬

筋肉の緊張を和らげ、痛みを緩和します。

エフルチミゾールやチザニジンなどが用いられます。

 

・神経障害性疼痛治療薬

しびれや神経痛のような痛みを軽減する効果があります。

プレガバリンやミロガバリンなどが使用されます。

理学療法

理学療法士による指導のもと、ストレッチや筋力トレーニング、マッサージなどを行うことで、腰の機能改善を図ります。

痛みの軽減だけでなく、再発予防にも効果的です。

腰痛体操や物理療法なども含まれます。

・牽引療法

腰椎を牽引することで、椎間板への負担を軽減し、痛みを和らげます。

 

・温熱療法

温熱療法は、患部を温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげます。

ホットパックや赤外線照射などが用いられます。

 

・運動療法

腰周りの筋肉を強化する運動やストレッチを行うことで、腰椎の安定性を高め、再発予防に繋がります。

理学療法士の指導のもと、適切な運動プログラムを実施することが重要です。

運動療法の種類 効果 注意点
腹筋トレーニング 体幹を強化し、腰椎の安定性を高める 腰に負担をかけないフォームで行う
背筋トレーニング 背筋を強化し、姿勢を改善する 痛みが出ない範囲で行う
ストレッチ 筋肉の柔軟性を高め、腰への負担を軽減する 無理に伸ばしすぎない

 

手術療法

保存療法で効果がない場合や、神経症状が強い場合に検討されます。

椎体同士を固定する手術や、神経を圧迫している部分を切除する手術などがあります。

手術は最終手段であり、リスクも伴うため、医師とよく相談することが重要です。

近年では、内視鏡を用いた低侵襲手術も増えてきています。

代表的な手術方法には以下のものがあります。

椎弓切除術

神経を圧迫している骨の一部を切除し、神経の通り道を広げる手術です。

 

・椎体間固定術

不安定な椎骨を固定し、安定性を高める手術です。

スクリューやプレートなどを用いて固定します。

 

・人工椎間板置換術

損傷した椎間板を人工椎間板に置き換える手術です。

近年注目されている治療法です。

手術療法は、身体への負担が大きいため、慎重に検討する必要があります。

医師とよく相談し、最適な治療法を選択しましょう。

日常生活で気を付けること

すべり症による腰痛を悪化させないためには、日常生活でのちょっとした心がけが重要です。

普段の何気ない動作や習慣を見直すことで、腰への負担を軽減し、症状の進行を予防することができます。

重いものを持ち上げるときの注意点

重いものを持ち上げる際は、腰に負担がかかりやすいため、注意が必要です。

正しい姿勢と持ち上げ方を意識することで、腰への負担を最小限に抑えられます。

  • 中腰ではなく膝を曲げる

重いものを持ち上げるとき、腰を曲げて持ち上げるのはNGです。

背中を丸めたまま中腰になると、腰椎に大きな負担がかかり、すべり症を悪化させる可能性があります。

膝を曲げ、スクワットのようにしゃがんで持ち上げるようにしましょう。

このとき、背中をまっすぐ保ち、腹筋に力を入れることが大切です。

荷物は体幹に近づけて持ち上げることで、より腰への負担を軽減できます。

  • 急に持ち上げない

急な動作は腰に負担がかかります。

重いものを持ち上げる際は、ゆっくりとした動作を心がけましょう

息を止めずに、持ち上げるタイミングで息を吐くようにすると、スムーズに持ち上げることができます。

 

  • 無理せず誰かに手伝ってもらう

どうしても重くて持ち上げられない場合は、無理をせず誰かに手伝ってもらいましょう

特に、すべり症の症状が出ている時は、無理に持ち上げようとすると症状を悪化させるリスクがあります。

周りの人に協力を求めたり、台車などの道具を使うことを検討しましょう。

長時間同じ姿勢を続けない

デスクワークや車の運転など、長時間同じ姿勢を続けることは、腰への負担を増大させます

同じ姿勢を長時間続けると、筋肉が緊張し、血行が悪くなり、腰痛が悪化しやすくなります。

こまめな休憩と姿勢の変更を意識しましょう。

  • 30分に1回は立ち上がる

デスクワーク中は、30分に1回は立ち上がり、軽いストレッチや歩行をすることをおすすめします。

同じ姿勢を長時間続けることで、腰の筋肉が固まり、血行が悪くなります。

軽い運動をすることで、筋肉の緊張をほぐし、血行を促進することができます。

 

  • 休憩時間には軽い運動をする

休憩時間には、軽い運動を取り入れると効果的です。

例えば、軽い散歩やストレッチなど、体を動かすことで、腰の筋肉をリラックスさせ、血行を促進することができます。

また、気分転換にもなり、仕事の効率アップにも繋がります。

姿勢 注意点
座位 深く座り、背もたれを使う。足を組まない。
立位 良い姿勢を意識する。片足に重心を乗せない。
就寝時 仰向けで寝る場合は膝の下にクッションを置く。横向きで寝る場合は抱き枕を使う。

適切な睡眠

睡眠中は、体を休め、疲労を回復させる大切な時間です。

質の良い睡眠は、腰痛の改善にも繋がります。適切な睡眠時間と睡眠環境を整えましょう。

9.3.1 睡眠時間

適切な睡眠時間は個人差がありますが、一般的には7~8時間程度と言われています。

睡眠不足は、疲労を蓄積させ、腰痛を悪化させる可能性があります。

毎日同じ時間に寝起きし、規則正しい生活リズムを心がけることが重要です。

9.3.2 寝具

自分に合った寝具を選ぶことも重要です。

マットレスは、硬すぎず柔らかすぎないものを選びましょう。

枕は、高すぎず低すぎない、首や肩に負担がかからないものを選びましょう。

敷布団は、体圧分散性に優れたものを選ぶと、腰への負担を軽減できます。

例えば、高反発マットレスや低反発枕などがおすすめです。

9.3.3 睡眠環境

静かで暗い寝室は、質の良い睡眠に繋がります。

室温や湿度も快適な状態に保ちましょう。

寝る前にカフェインを摂取したり、スマートフォンやパソコンを長時間使用することは避けましょう。

リラックスできる環境を作ることで、より深い睡眠を得ることができます。

これらの日常生活での注意点を守ることで、すべり症による腰痛の悪化を防ぎ、快適な毎日を送る助けとなります。

自分の体と向き合い、無理なく生活習慣を改善していくことが大切です。

まとめ

この記事では、腰痛とすべり症の関係性、すべり症による腰痛の症状の特徴、鍼灸治療の効果、予防法などについて解説しました。

すべり症は、椎骨が前方にずれることで神経を圧迫し、腰痛を引き起こす疾患です。

しかし、すべての腰痛がすべり症からくるわけではなく、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、姿勢不良なども原因となります。

そのため、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断を受けることが重要です。

すべり症による腰痛の鍼灸治療は、筋肉の緊張緩和、血行促進、自律神経調整、痛みの軽減といった効果が期待できます。

鍼灸治療は、痛みを抑えるだけでなく、身体の機能を改善することで根本原因にアプローチします。

日常生活での姿勢や動作の改善、適度な運動、ストレッチなども、すべり症による腰痛の予防と改善に効果的です。

重いものを持ち上げるときや、長時間同じ姿勢を続けることは避け、質の良い睡眠を確保することも大切です。

すべり症の治療法は鍼灸以外にも、薬物療法、理学療法、手術療法などがあります。

症状や状態に合わせて適切な治療法を選択することが重要です。

すべり症による腰痛でお悩みの方は、この記事を参考に、ご自身の症状に合った治療法や予防法を見つけてみてください。

何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

執筆者

三郷駅前はりきゅう整骨院