椎間板ヘルニアの原因と効果的なセルフケア|鍼灸を取り入れた最新対策~前編~

椎間板ヘルニアとは何か

椎間板ヘルニアは、背骨の椎体と椎体の間にある椎間板という組織が飛び出して、神経を圧迫することで痛みやしびれなどの症状を引き起こす疾患です。

多くは腰部に発生しますが、頸部や胸部に発生することもあります。

椎間板の構造と役割

椎間板は、中央にあるゼリー状の髄核と、それを囲む線維輪で構成されています。

髄核は弾力性に富み、クッションのような役割を果たし、体重を支えたり、衝撃を吸収したりしています。

線維輪は、髄核を包み込み、安定させる役割を担っています。

構成要素 役割
髄核 クッションのような役割を果たし、体重を支えたり、衝撃を吸収したりする
線維輪 髄核を包み込み、安定させる

椎間板ヘルニアの症状

椎間板ヘルニアの症状は、ヘルニアが発生した部位や神経の圧迫の程度によって様々です。

腰部に発生した場合、腰痛に加えて、お尻や太もも、ふくらはぎ、足先などに痛みやしびれ、感覚異常などが現れることがあります。

また、重症になると、排尿・排便障害が起こる場合もあります。

頸部に発生した場合は、首や肩、腕、手に痛みやしびれなどが現れることがあります。

これらの症状は、咳やくしゃみ、排便時など腹圧がかかった際に悪化することがあります。

椎間板ヘルニアの主な原因

椎間板ヘルニアは、様々な要因が複雑に絡み合って発症します。

ここでは主な原因について詳しく解説します。

加齢による椎間板の変性

椎間板は、年齢を重ねるごとに水分が失われ、弾力性が低下していきます。

この変性によって、椎間板がもろくなり、亀裂が生じやすくなります。

結果として、中の髄核が飛び出しやすくなり、椎間板ヘルニアを発症しやすくなります。

姿勢の悪さや無理な動作

猫背などの悪い姿勢を長時間続けたり、重い物を持ち上げるなど、椎間板に負担がかかる動作を繰り返すことで、椎間板ヘルニアのリスクが高まります。

特に、中腰での作業や前かがみの姿勢での作業は、椎間板への負担が大きいため注意が必要です。

また、スポーツなどで急激な動作や無理な姿勢をとることも、椎間板ヘルニアの原因となります。

遺伝的要因

椎間板ヘルニアは、遺伝的な要因も関係していると考えられています。

家族に椎間板ヘルニアになった人がいる場合、そうでない人に比べて発症リスクが高くなる可能性があります。

これは、椎間板の構造や強度などが遺伝的に影響を受けるためと考えられています。

肥満

過剰な体重は、椎間板への負担を増大させます。

特に、お腹周りの脂肪が多い場合は、腰椎への負担が大きくなり、椎間板ヘルニアのリスクを高めます。

適正体重を維持することは、椎間板ヘルニアの予防にも繋がります。

喫煙

喫煙は、椎間板への血流を悪化させ、椎間板の変性を促進すると言われています。

そのため、喫煙者は非喫煙者に比べて椎間板ヘルニアになりやすい傾向があります。

禁煙は、椎間板ヘルニアの予防だけでなく、健康全体にも良い影響を与えます。

原因 詳細
加齢 椎間板の水分減少、弾力性低下による変性
姿勢・動作 猫背、中腰姿勢、重い物の持ち上げなど、椎間板への負担
遺伝 椎間板の構造や強度に遺伝的影響
肥満 過剰な体重による椎間板への負担増大
喫煙 血流悪化による椎間板の変性促進

椎間板ヘルニアのセルフケア

椎間板ヘルニアの痛みやしびれを和らげるためには、セルフケアが重要です。

症状の改善だけでなく、再発予防にも繋がります。

正しいセルフケアの方法を身につけ、積極的に実践していきましょう。

ストレッチ

硬くなった筋肉をほぐし、血行を促進することで、痛みやしびれの緩和が期待できます。

無理のない範囲で、毎日続けることが大切です。

①太ももの裏のストレッチ

床に座り、片方の足を伸ばし、もう片方の足は曲げます。

伸ばした足のつま先を手でつかみ、息を吐きながら上体を前に倒します。

太ももの裏が伸びているのを感じながら、20~30秒ほどキープします。

 

②股関節のストレッチ

仰向けに寝て、両膝を立てます。

片方の足をもう片方の太ももに乗せ、手で太ももを押さえながら息を吐き、胸に近づけます。

股関節の前面が伸びているのを感じながら、20~30秒ほどキープします。

 

③お尻のストレッチ

仰向けに寝て、両膝を立てます。

片方の足をもう片方の太ももに乗せ、両手で膝裏を抱え、息を吐きながら胸に引き寄せます。

お尻の筋肉が伸びているのを感じながら、20~30秒ほどキープします。

正しい姿勢

正しい姿勢を保つことは、椎間板への負担を軽減し、症状の悪化を防ぐために非常に重要です。

①立っている時の姿勢

耳、肩、腰、くるぶしが一直線になるように意識します。

お腹に力を入れ、背筋を伸ばすようにしましょう。

 

②座っている時の姿勢

椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばします。

足を組むのは避け、両足を床につけるようにしましょう。

デスクワークをする際は、モニターの高さを目の位置に合わせ、猫背にならないように注意が必要です。

適度な運動

適度な運動は、筋力強化や血行促進に効果的です。

ただし、激しい運動は症状を悪化させる可能性があるので避けましょう。

運動の種類 効果 注意点
ウォーキング 全身の血行促進、筋力強化 硬い地面は避け、クッション性のある靴を履きましょう。
水泳 浮力により腰への負担が少ない、全身運動 水温に注意し、無理のない範囲で行いましょう。

コルセットの着用

コルセットは、腰を支え、負担を軽減する効果があります。

痛みが強い時や、長時間の立ち仕事、運転をする際に着用すると良いでしょう。ただし、コルセットの着用は、腹筋や背筋を弱める可能性もあるため、医師の指示に従って使用することが大切です。

 

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執筆者

三郷駅前はりきゅう整骨院