つらい坐骨神経痛…妊婦さんの原因別セルフケアと鍼灸治療のすべて~後編~

妊婦さんの坐骨神経痛に鍼灸治療は効果あるの?

妊娠中の坐骨神経痛に悩まされている方の中には、鍼灸治療に興味を持っている方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言うと、鍼灸治療は妊婦さんの坐骨神経痛の症状緩和に効果が期待できます。

ただし、妊娠中はデリケートな時期でもあるため、施術を受ける際には注意が必要です。

安定期に入った妊婦さんであれば、基本的に鍼灸治療を受けても問題ないとされていますが、施術を受ける前に必ず医師に相談するようにしましょう。

また、妊娠初期や切迫早産などのリスクがある場合は、鍼灸治療を控えるべきです。

必ず専門家の指示に従ってください。

鍼灸治療のメカニズム

鍼灸治療は、東洋医学に基づいた伝統的な治療法です。

身体に鍼を刺したり、もぐさを燃やして温熱刺激を与えたりすることで、ツボを刺激し、気の流れや血行を良くして、自然治癒力を高めます。

坐骨神経痛の場合、鍼灸治療によって、以下のような効果が期待できます。

効果 説明
筋肉の緊張緩和 妊娠中は、お腹が大きくなるにつれて姿勢が変化し、腰や骨盤周りの筋肉が緊張しやすくなります。鍼灸治療は、これらの筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減する効果があります。
血行促進 血行が良くなることで、筋肉や神経への酸素供給が改善され、痛みの原因物質が排出されやすくなります。
鎮痛効果 鍼灸治療には、エンドルフィンなどの鎮痛作用のあるホルモンの分泌を促進する効果があると言われています。これにより、痛みを和らげることができます。
リラックス効果 妊娠中は、ホルモンバランスの変化や身体の負担から、精神的に不安定になりやすい時期です。鍼灸治療は、リラックス効果を高め、精神的なストレスを軽減する効果も期待できます。

鍼灸治療は、痛み止めのような即効性はありませんが、身体への負担が少ない自然療法であるため、妊婦さんでも安心して受けることができます。

施術を受ける際は、妊娠中であることを必ず伝え、経験豊富な鍼灸師に相談しましょう。

施術を受けることで、痛みや不快感を軽減し、快適なマタニティライフを送る助けとなるでしょう。

妊娠中の坐骨神経痛を悪化させないための予防法

妊娠中の坐骨神経痛は、適切な予防策を講じることで、発症リスクを軽減したり、症状の悪化を防いだりすることができます。

これからご紹介する予防法を参考に、快適なマタニティライフを送りましょう。

体重管理

妊娠中は体重が増加しやすいですが、急激な体重増加は坐骨神経痛のリスクを高めます。

バランスの良い食事を心がけ、適度な体重増加を維持するようにしましょう。

主治医や助産師と相談しながら、適切な体重管理を目指してください。

適度な運動

適度な運動は、血行を促進し、筋肉の柔軟性を保つのに役立ちます。

ウォーキングやマタニティヨガ、水中ウォーキングなど、負担の少ない運動を選びましょう。

ただし、激しい運動や痛みを伴う運動は避け、自分の体調に合わせて行うことが大切です。

正しい姿勢を保つ

正しい姿勢を意識することは、坐骨神経痛の予防に非常に重要です。

立っているとき、座っているとき、寝ているとき、それぞれの場面で適切な姿勢を保つように心がけましょう。

①立っているとき

背筋を伸ばし、お腹を引っ込め、お尻を軽く締めるように意識します。

長時間同じ姿勢で立っている場合は、時々足を動かしたり、姿勢を変えたりして、身体への負担を軽減しましょう。

②座っているとき

浅く腰掛けず、深く椅子に腰掛け、背もたれにもたれかかるようにします。

足を組むのは避け、両足を床につけるようにしましょう。

クッションやタオルなどを腰に当ててサポートすると、さらに楽な姿勢を保てます。

③寝ているとき

横向きに寝るのがおすすめです。抱き枕やクッションなどを抱え込み、膝を軽く曲げると、腰への負担を軽減できます。

仰向けで寝る場合は、膝の下にクッションなどを置いて、腰の反りを軽減しましょう。

身体を冷やさない

身体を冷やすと、血行が悪くなり、筋肉が硬くなってしまうため、坐骨神経痛の症状が悪化しやすくなります。

特に、お腹や腰回りは冷やさないように注意しましょう。

腹巻や温かい下着を着用したり、お風呂で温まったりするのも効果的です。

重いものを持ち上げない

重いものを持ち上げる際は、腰に負担がかかり、坐骨神経痛を悪化させる可能性があります。

できるだけ重いものは持ち上げないようにし、どうしても持ち上げる必要がある場合は、膝を曲げて腰を落とすようにし、背中をまっすぐ保ったまま持ち上げるようにしましょう。

リラックスする

ストレスは、筋肉の緊張を高め、坐骨神経痛の症状を悪化させる要因の一つです。

リラックスできる時間を作る、好きな音楽を聴く、アロマを焚くなど、自分に合った方法でストレスを解消しましょう。

十分な睡眠をとることも大切です。

予防法 具体的な方法
体重管理 バランスの良い食事、適度な体重増加
適度な運動 ウォーキング、マタニティヨガ、水中ウォーキング
正しい姿勢 立位、座位、臥位での姿勢に注意
身体を冷やさない 腹巻、温かい下着、入浴
重いものを持ち上げない 持ち上げる必要がある場合は、膝を曲げて腰を落とす
リラックス リラックスできる時間を作る、音楽、アロマ、睡眠

これらの予防法を実践することで、妊娠中の坐骨神経痛のリスクを軽減し、快適なマタニティライフを送ることができます。

少しでも違和感があれば、我慢せずに、早めに専門家に相談するようにしましょう。

まとめ

妊娠中の坐骨神経痛は、大きくなる子宮による圧迫やホルモンバランスの変化、姿勢の変化、体重増加、運動不足などが原因で起こることがあります。

つらい痛みやしびれなどの症状が現れますが、セルフケアである程度の緩和が期待できます。

梨状筋ストレッチやハムストリングストレッチなどのストレッチ、温罨法や冷罨法、骨盤ベルトの着用、正しい姿勢を保つことなどが効果的です。

また、鍼灸治療も症状緩和に役立つ可能性があります。妊娠中は身体に負担がかかりやすい時期です。

無理をせず、これらの方法を試しながら、快適なマタニティライフを送りましょう。

何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

執筆者

三郷駅前はりきゅう整骨院