腰痛と左足しびれが起こる原因
腰痛と左足しびれは、それぞれ独立して起こることもありますが、関連して発症することも少なくありません。
原因を探る上では、その関連性に着目することが重要です。
ここでは、腰痛と左足しびれの主な原因を詳しく解説します。
筋肉や骨格の異常
腰痛と左足しびれの原因として最も多いのは、筋肉や骨格の異常です。
加齢や激しい運動、長時間のデスクワークなど、様々な要因で筋肉や骨格に負担がかかり、痛みやしびれを引き起こします。
・腰椎椎間板ヘルニア
椎間板の一部が飛び出し、神経を圧迫することで腰痛や左足しびれが生じます。
特に、飛び出した部分が左側の神経を圧迫すると、左足にしびれが出現しやすくなります。
くしゃみや咳などで痛みが増強することも特徴です。
・脊柱管狭窄症
背骨の中を通る脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることで腰痛や左足しびれが生じます。
加齢に伴う変形が主な原因で、中高年に多く見られます。間欠性跛行と呼ばれる、歩行時に足がしびれて休むと回復する症状が現れることもあります。
・腰椎すべり症
腰椎と呼ばれる腰の骨が前方にずれることで、神経を圧迫し、腰痛や左足しびれを引き起こします。
腰を反らすと痛みやしびれが増強する傾向があります。
・梨状筋症候群
お尻にある梨状筋が硬くなり、その下を通る坐骨神経を圧迫することで、腰痛や左足しびれが生じます。
長時間座っていることが多い人や、足を組む癖がある人に多く見られます。
神経の圧迫
神経が圧迫されることで、腰から足にかけて痛みやしびれが走る坐骨神経痛が起こることがあります。
坐骨神経痛自体は病気の名前ではなく、様々な原因で起こる症状の総称です。
・坐骨神経痛
坐骨神経は、腰から足にかけて伸びる人体で最も太い神経です。
この神経が何らかの原因で圧迫されると、腰痛だけでなく、お尻や太もも、ふくらはぎ、足先まで痛みやしびれが走る坐骨神経痛の症状が現れます。
腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因となることが多いです。
左側の坐骨神経が圧迫されると左足にしびれが生じます。
その他
筋肉や骨格、神経の異常以外にも、腰痛と左足しびれを引き起こす原因はいくつかあります。
・内臓疾患
まれに、内臓の病気によって腰痛や左足しびれが生じることがあります。
例えば、腎臓結石や尿管結石、婦人科系の疾患などが挙げられます。
腰痛やしびれ以外に、発熱や吐き気などの症状を伴う場合は、内臓疾患の可能性も考慮し、医療機関への受診が必要です。
・ストレス
ストレスは、自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張を高めることで腰痛や左足しびれを引き起こすことがあります。
また、ストレスによって痛みを感じやすくなることもあります。心身のリラックスを心がけることが大切です。
左足にしびれを伴う腰痛の特徴
腰痛と左足のしびれ。
この2つの症状が同時に現れる場合、様々な原因が考えられます。
その特徴を詳しく見ていきましょう。
左足だけのしびれ
腰痛に加えて、左足にしびれが生じる場合、そのしびれの範囲や程度は原因によって様々です。
左足全体がしびれる場合もあれば、太もも裏やふくらはぎの外側、足の甲など特定の部位にしびれが集中する場合もあります。
また、ピリピリとした感覚やジンジンとした痛みを伴う場合、感覚が鈍くなる場合など、症状の現れ方も多様です。
右足には症状がないのに左足だけに症状が現れる場合は、身体の左右のアンバランスや、左側の神経への圧迫などが疑われます。
腰痛と左足しびれの関連性
腰痛と左足しびれは、密接に関連しているケースが多く見られます。
腰部に存在する神経は、足に向かって伸びており、腰に何らかの異常が発生すると、その神経が圧迫されたり刺激されたりすることで、左足にしびれが生じることがあります。
例えば、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などは、腰痛と共に左足しびれを引き起こす代表的な疾患です。
また、姿勢の悪さや長時間のデスクワークなどによって、腰周りの筋肉が緊張し、神経を圧迫することで、腰痛と左足しびれが同時に現れることもあります。
しびれの程度と症状の変化
左足しびれの程度や症状の変化にも注目が必要です。
常にしびれを感じているのか、特定の動作をした時だけしびれるのか、朝起きた時だけしびれが強いのかなど、症状の変化やパターンを把握することで、原因の特定に役立ちます。
また、しびれの程度が徐々に強くなっている場合や、しびれと共に足の力が入りにくくなっている場合は、早急に専門家への相談が必要です。
症状 | 考えられる原因 |
左足全体がしびれる | 腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など |
太もも裏、ふくらはぎの外側、足の甲など特定の部位がしびれる | 梨状筋症候群、坐骨神経痛など |
ピリピリ、ジンジンとした痛みを伴うしびれ | 神経の炎症、圧迫 |
感覚が鈍くなるしびれ | 神経の損傷 |
特定の動作でしびれが強くなる | 姿勢の問題、特定の筋肉の緊張 |
しびれが徐々に強くなる、力が入りにくい | 重篤な神経圧迫の可能性 |
上記はあくまで一例であり、自己判断は危険です。
左足にしびれを伴う腰痛でお悩みの方は、専門家に相談し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
鍼灸が腰痛と左足しびれに効果的な理由
腰痛と左足しびれに対して、鍼灸治療が効果的とされている理由は複数あります。
西洋医学とは異なるアプローチで、身体全体のバランスを整え、症状の根本改善を目指す鍼灸治療は、多くの患者に支持されています。
特に、慢性的な痛みやしびれに悩んでいる方にとって、薬物療法や外科手術以外の選択肢として注目されています。
筋肉の緊張緩和と血行促進作用
鍼灸治療は、筋肉の緊張を緩和し、血行を促進する効果があります。
腰痛や左足しびれの原因の一つに、筋肉の過緊張や血行不良が挙げられます。
鍼刺激は、トリガーポイントと呼ばれる筋肉の硬結部位に作用し、筋肉の緊張を解きほぐします。
また、灸の温熱刺激は血管を拡張し、血流を改善することで、酸素や栄養素の供給を促し、老廃物の排出をスムーズにします。
これらの相乗効果により、痛みやしびれの緩和が期待されます。
神経の圧迫緩和
腰痛と左足しびれは、神経の圧迫が原因で起こる場合もあります。
坐骨神経痛などが代表的な例です。鍼灸治療は、神経周囲の筋肉の緊張を緩和することで、神経への圧迫を軽減する効果が期待できます。
直接神経に鍼を刺すわけではありませんが、周囲の筋肉の状態を改善することで、間接的に神経の圧迫を緩和し、症状の改善を促します。
痛みの軽減効果
鍼灸治療には、鎮痛効果があることが知られています。
鍼刺激によって、エンドルフィンなどの鎮痛物質が分泌されることで、痛みが軽減されると考えられています。
痛みを脳に伝える経路を抑制する効果も期待されており、即効性のある鎮痛作用だけでなく、持続的な痛みの軽減にも繋がります。
自然治癒力の向上
鍼灸治療は、身体本来の自然治癒力を高める効果も期待されます。
鍼灸刺激は、自律神経系や免疫系に作用し、身体全体の機能調整を促します。
これにより、自己修復能力が高まり、症状の改善だけでなく、再発予防にも繋がると考えられています。
効果 | メカニズム |
筋肉の緊張緩和 | トリガーポイントへの鍼刺激、血行促進 |
血行促進 | 灸の温熱刺激による血管拡張 |
神経圧迫緩和 | 神経周囲の筋肉の緊張緩和 |
鎮痛効果 | エンドルフィン分泌促進、疼痛伝達経路抑制 |
自然治癒力向上 | 自律神経系、免疫系への作用 |
鍼灸治療は、腰痛や左足しびれの原因に多角的にアプローチすることで、症状の根本改善を目指します。
それぞれの症状や体質に合わせたオーダーメイドの治療が提供されるため、慢性的な痛みやしびれでお悩みの方は、鍼灸治療を検討してみる価値があるでしょう。
腰痛と左足しびれに対する鍼灸治療の方法
腰痛と左足しびれに対して、鍼灸治療は古くから行われており、その効果が期待されています。
鍼灸治療は、身体に鍼や灸を用いて刺激を与えることで、痛みやしびれの緩和、血行促進、自然治癒力の向上などを目指す治療法です。
腰痛と左足しびれに悩む多くの人にとって、鍼灸治療は症状改善の選択肢の一つとなり得ます。
鍼治療
鍼治療は、髪の毛よりも細い鍼を身体の特定の部位に刺入することで、痛みやしびれの原因となる筋肉の緊張や神経の圧迫を緩和する効果が期待できます。
また、血行促進効果も期待できるため、組織の修復を促し、自然治癒力を高める効果も期待できます。
経穴(ツボ)への刺激
鍼治療では、経穴(ツボ)と呼ばれる特定の部位に鍼を刺入します。
腰痛と左足しびれに効果的なツボは複数存在し、症状や体質に合わせて適切なツボが選択されます。
代表的なツボとしては、腰部の痛みやしびれに効果的な腎兪、大腸兪、足のしびれに効果的な環跳、承扶、坐骨神経痛に効果的な殷門などがあります。
これらのツボ以外にも、症状に合わせて様々なツボが用いられます。
ツボの名前 | 位置 | 期待される効果 |
腎兪 | 第二腰椎棘突起下縁と同じ高さ、正中線の外方1.5寸 | 腰痛、足のしびれ、冷え性 |
大腸兪 | 第四腰椎棘突起下縁と同じ高さ、正中線の外方1.5寸 | 腰痛、坐骨神経痛、便秘 |
環跳 | 大転子の最も高いところと仙骨裂孔を結ぶ線上の中点の外方1寸 | 坐骨神経痛、股関節痛、足のしびれ |
承扶 | 大腿後面、臀横紋の中点 | 坐骨神経痛、腰痛、下肢のしびれ |
殷門 | 大腿後面、委中の後方3寸 | 坐骨神経痛、大腿部の痛みやしびれ |
灸治療
灸治療は、もぐさを燃焼させて皮膚表面から温熱刺激を与えることで、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。
また、温熱刺激によって身体を温めることで、冷えからくる腰痛や左足しびれの改善にも効果が期待できます。
温熱刺激
灸治療では、もぐさを皮膚の上で直接燃焼させる直接灸と、皮膚に直接触れさせずに間接的に温める間接灸があります。
間接灸には、もぐさと皮膚の間に生姜やニンニクなどを挟む隔物灸や、温灸器を用いる温灸などがあります。
温熱刺激によって血行が促進され、筋肉の緊張が緩和されることで、腰痛や左足しびれの症状が改善されることが期待されます。
また、身体を温めることで、冷えからくる腰痛や左足しびれの改善にもつながります。
鍼治療と同様に、灸治療でも経穴(ツボ)が用いられます。
症状に合わせて適切なツボに灸を施すことで、より効果的な治療が期待できます。
腰痛と左足しびれの予防とセルフケア
腰痛と左足しびれは、日常生活のちょっとした心がけで予防できる場合が多くあります。
再発防止のためにも、セルフケアを積極的に取り入れましょう。
ストレッチ
筋肉の柔軟性を保つことは、腰痛と左足しびれの予防に非常に重要です。
硬くなった筋肉は血行不良を招き、神経を圧迫しやすくなります。
毎日継続してストレッチを行い、柔軟性を維持しましょう。
・腰部のストレッチ
股関節のストレッチは、腰の筋肉の緊張を和らげ、可動域を広げる効果があります。
代表的なストレッチとして「鳩のポーズ」や「片膝抱えストレッチ」などがあります。
無理のない範囲で行い、痛みを感じたらすぐに中止しましょう。
・下肢のストレッチ
太もも裏のハムストリングスやふくらはぎの筋肉が硬くなると、骨盤が後傾し、腰に負担がかかります。
これらの筋肉を伸ばすストレッチも忘れずに行いましょう。
「前屈ストレッチ」や「アキレス腱伸ばし」などが効果的です。
適度な運動
適度な運動は、腰周りの筋肉を強化し、腰痛と左足しびれの予防に繋がります。
ウォーキングや水泳など、腰に負担の少ない運動を選びましょう。
激しい運動は逆効果になる場合があるので、自分の体力に合った運動を選択することが大切です。
・ウォーキング
ウォーキングは、特別な道具も必要なく、手軽に始められる運動です。
正しい姿勢を意識し、30分程度を目安に毎日続けましょう。
地面からの衝撃を吸収するウォーキングシューズを選ぶこともおすすめです。
・水泳
水泳は、浮力によって腰への負担が少ない運動です。
クロールや背泳ぎなど、腰を捻る動作が少ない泳ぎ方を選びましょう。
水中ウォーキングも効果的です。
正しい姿勢
日常生活における姿勢は、腰痛と左足しびれに大きく影響します。
立っている時、座っている時、常に正しい姿勢を意識することで、腰への負担を軽減できます。
・立っている時の姿勢
背筋を伸ばし、お腹に力を入れることを意識しましょう。
猫背にならないように注意し、顎を引いて目線を真っ直ぐに向けます。
長時間同じ姿勢で立っている場合は、適度に休憩を取り、姿勢を変えるようにしましょう。
・座っている時の姿勢
椅子に深く腰掛け、背もたれに寄りかかるようにしましょう。
足を組むのは避け、足の裏全体を床につけるようにします。
デスクワークなどで長時間座っている場合は、1時間に1回程度は立ち上がり、軽いストレッチを行うのがおすすめです。
姿勢 | ポイント |
立つ | 背筋を伸ばし、お腹に力を入れる。顎を引いて目線を真っ直ぐに向ける。 |
座る | 椅子に深く腰掛け、背もたれに寄りかかる。足を組まず、足の裏全体を床につける。 |
寝る | 仰向けで寝る場合は、膝の下にクッションを敷くと腰への負担が軽減される。横向きで寝る場合は、抱き枕を使うと良い。 |
生活習慣の改善
日常生活の習慣を見直し、腰痛と左足しびれを予防しましょう。
睡眠不足や過度なストレス、偏った食生活は、腰痛や左足しびれを悪化させる要因となります。
・睡眠
質の良い睡眠を十分に取ることで、体の疲れを癒し、自然治癒力を高めることができます。
睡眠時間は個人差がありますが、7時間程度を目安にしましょう。
寝る前にカフェインを摂取するのは避け、リラックスできる環境を作るのがおすすめです。
・食事
バランスの良い食事を心がけ、カルシウム、ビタミンD、タンパク質など、骨や筋肉の健康に必要な栄養素を積極的に摂取しましょう。
また、肥満は腰への負担を増大させるため、適正体重を維持することも重要です。
これらのセルフケアを継続的に行うことで、腰痛と左足しびれの予防、そして再発防止に繋がります。
ご自身の生活習慣を見直し、できることから始めてみましょう。
まとめ
左足のしびれを伴う腰痛は、日常生活に大きな支障をきたす症状です。
その原因は、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった骨格の異常、坐骨神経痛による神経の圧迫、内臓疾患やストレスなど多岐にわたります。
症状の特徴としては、左足だけに生じるしびれや、腰痛との関連性、しびれの程度や変化などが挙げられます。
原因を特定し、適切な治療を行うことが重要です。
鍼灸治療は、腰痛と左足しびれに対して効果的な治療法の一つです。
鍼治療による経穴(ツボ)への刺激は、筋肉の緊張を緩和し血行を促進します。
また、灸治療による温熱刺激は、神経の圧迫を緩和し、痛みを軽減する効果が期待できます。
さらに、鍼灸治療は身体の自然治癒力を向上させる効果も期待できます。
つまり、鍼灸治療は、痛みや痺れの緩和だけでなく、根本的な改善を目指せる治療法と言えるでしょう。
腰痛と左足しびれの予防には、ストレッチや適度な運動、正しい姿勢の維持、生活習慣の改善が重要です。
これらのセルフケアを継続的に行うことで、再発防止にも繋がります。
つらい症状でお悩みの方は、鍼灸治療という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

お電話ありがとうございます、
三郷駅前はりきゅう整骨院でございます。