つらい腰痛を解消!お灸で効くツボ押し完全ガイド【効果的なツボの位置とやり方】~前編~

腰痛の原因とタイプ別の症状

腰痛は、現代社会において非常に多くの人が悩まされている症状の一つです。

その原因は実に様々で、特定の疾患によるものから、日常生活の何気ない動作や習慣に起因するものまで多岐に渡ります。

腰痛を効果的にケアするためには、まず自分の腰痛がどのような原因で引き起こされているのかを理解することが重要です。

慢性的な腰痛

慢性的な腰痛は、3ヶ月以上にわたって続く腰痛と定義されています。

原因としては、加齢に伴う椎間板の変性や、長時間のデスクワークによる姿勢の悪さ、運動不足による筋力の低下、肥満などが挙げられます。

また、精神的なストレスも慢性的な腰痛の要因となることがあります。

慢性的な腰痛は、痛みが持続することで日常生活に支障をきたすだけでなく、精神的な負担も大きくなります。

そのため、早期に適切な対処をすることが大切です。

ぎっくり腰

ぎっくり腰は、正式には「急性腰痛症」と呼ばれ、突然激しい腰痛に襲われる症状です。

重い物を持ち上げた時や、くしゃみをした時など、些細な動作がきっかけで発症することがあります。

ぎっくり腰の原因は、筋肉や靭帯の損傷、椎間板ヘルニア、腰椎分離症・すべり症などが考えられます。

ぎっくり腰は、発症直後は激痛のため動けなくなることもありますが、多くの場合、数日から数週間で自然に回復します。

しかし、適切な処置を行わないと慢性化することもありますので、注意が必要です。

その他の腰痛

慢性的な腰痛やぎっくり腰以外にも、様々な原因で腰痛が起こることがあります。

以下に、代表的な例を挙げます。

腰痛の種類 原因 症状
腰椎椎間板ヘルニア 椎間板の一部が飛び出し、神経を圧迫する 腰痛に加え、脚のしびれや痛み、麻痺などの症状が現れる
腰部脊柱管狭窄症 脊柱管が狭くなり、神経を圧迫する 間欠性跛行(歩行時に脚のしびれや痛みが出現し、少し休むと回復する)などの症状が現れる
腰椎分離症・すべり症 腰椎の一部が分離したり、ずれたりする 腰痛や脚のしびれ、痛みなどの症状が現れる
仙腸関節炎 仙骨と腸骨を繋ぐ仙腸関節に炎症が生じる 腰や臀部、脚に痛みやしびれが現れる
内臓疾患による腰痛 腎臓結石、尿路感染症、子宮内膜症、膵炎など 腰痛以外にも、発熱、吐き気、嘔吐、血尿などの症状が現れる場合がある

これらの腰痛は、原因によって適切な治療法が異なります。

自己判断で対処せず、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることが重要です。

お灸が腰痛に効果的な理由

慢性的な痛みや、ぎっくり腰など、つらい腰痛でお悩みの方も多いのではないでしょうか。

腰痛の緩和方法として、お灸は古くから用いられてきました。

お灸が腰痛に効果的な理由を、科学的な根拠と東洋医学的な観点から紐解いていきましょう。

温熱効果による血行促進と筋肉の緩和

お灸のもぐさを燃焼させることで得られる温熱刺激は、腰痛緩和に大きく貢献します。

温熱刺激によって血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。

血行が促進されると、筋肉や組織への酸素供給が向上し、老廃物の排出もスムーズになります。

こうして、腰痛の原因となる筋肉の炎症やコリを軽減する効果が期待できます。

神経系の活性化による鎮痛効果

お灸の温熱刺激は、皮膚にある温度センサーを刺激し、神経系を活性化させます。

この刺激が脳に伝わることで、エンドルフィンなどの鎮痛物質の分泌が促進されます。

エンドルフィンは、モルヒネの数倍もの鎮痛効果を持つと言われており、腰痛による痛みを軽減する効果が期待できます。

ツボ刺激による自律神経の調整

東洋医学では、身体には「ツボ」と呼ばれる特定のポイントがあり、これらのツボを刺激することで、気の流れを整え、健康を維持できると考えられています。

腰痛に関連するツボにお灸をすることで、自律神経のバランスが調整されます。

自律神経が整うことで、筋肉の緊張が緩和され、血行も促進され、腰痛の改善につながります。

お灸による免疫力の向上

お灸の温熱刺激は、白血球の一種である顆粒球の増加を促すことが研究で示唆されています。

顆粒球は、体内に侵入した細菌やウイルスを攻撃する役割を担っており、免疫力の向上に貢献します。

免疫力の向上が、腰痛の慢性化予防にも役立つと考えられます。

お灸と西洋医学の融合

西洋医学的視点 お灸の効果
血行不良 温熱効果による血行促進
筋肉の緊張・炎症 温熱効果、鎮痛物質の分泌促進による緩和
自律神経の乱れ ツボ刺激による自律神経調整
免疫力の低下 顆粒球増加による免疫力向上

このように、お灸は西洋医学的な視点からも、その効果が裏付けられています。

お灸は、単なる民間療法ではなく、腰痛緩和に有効な手段の一つと言えるでしょう。

腰痛に効くツボ:位置と効果

腰痛でお悩みの方にとって、お灸は効果的なセルフケアの一つです。

ここでは、腰痛に効く代表的なツボとその効果、正確な位置について解説します。

ツボの位置を正しく理解し、適切にお灸を行うことで、腰痛の緩和を目指しましょう。

腎兪(じんゆ)

・腎兪の位置

腎兪は、背骨を挟んで左右対称に2つあります。

第二腰椎と第三腰椎の間から、指幅約1.5寸(約4.5cm)外側にあるツボです。

おへその真後ろの背骨から横に指を滑らせると、骨盤のすぐ上に少し凹んだ部分があります。

・腎兪の効果

腎兪は、腰痛全般、特に慢性的な腰痛や冷えによる腰痛に効果があるとされています。

泌尿器系の不調や、疲労感、足腰の冷えにも効果が期待できます。

生命エネルギーの源である「腎」の働きを高め、身体全体の調子を整える効果も期待できます。

大腸兪(だいちょうゆ)

・大腸兪の位置

大腸兪は、第四腰椎と第五腰椎の間から、指幅約1.5寸(約4.5cm)外側にあるツボです。

骨盤のやや上の部分に位置します。

腎兪の下、仙骨の上あたりを探してみてください。

・大腸兪の効果

大腸兪は、腰痛、特に便秘に伴う腰痛や、下痢、腹痛などに効果があるとされています。

大腸の働きを活発にし、老廃物の排出を促進する効果も期待できます。

腰周辺の筋肉の緊張を和らげ、腰痛を緩和する効果も期待できます。

関元兪(かんげんゆ)

・関元兪の位置

関元兪は、第五腰椎と仙骨の間から、指幅約1.5寸(約4.5cm)外側にあるツボです。

骨盤の最上部あたりに位置します。

大腸兪のすぐ下を探してみてください。

・関元兪の効果

関元兪は、下腹部や腰の痛み、生殖器系の不調、下痢などに効果があるとされています。

身体の冷えを改善し、腰部の血行を促進することで、腰痛を緩和する効果も期待できます。

下半身の冷えやむくみにも効果が期待できます。

次髎(じりょう)

・次髎の位置

次髎は、仙骨の左右に2つずつ、計4つあります。

第二仙骨孔(仙骨にある小さな穴)から指幅約1寸(約3cm)外側にあるツボです。

仙骨の上部、左右に少し凹んだ部分を探してみてください。

・次髎の効果

次髎は、腰痛、特にぎっくり腰や坐骨神経痛、生理痛、下腹部痛などに効果があるとされています。

骨盤周辺の血行を促進し、痛みを和らげる効果が期待できます。

また、泌尿器系や生殖器系の不調にも効果が期待できます。

環跳(かんちょう)

・環跳の位置

環跳は、大腿骨大転子(太ももの付け根の外側にある骨の出っ張り)の上方、指幅約4寸(約12cm)のところにあります。

仰向けに寝て、膝を曲げ、かかとをお尻に近づけたときに、大転子と仙骨を結んだ線の中央付近に位置します。

・環跳の効果

環跳は、腰痛、特に坐骨神経痛、股関節痛、下肢のしびれなどに効果があるとされています。

腰から足にかけて伸びる坐骨神経の痛みを和らげ、下半身の血行を促進する効果も期待できます。

歩行困難なほどの激しい腰痛にも効果が期待できます。

これらのツボは、腰痛の種類や症状によって使い分けることができます。

自分の症状に合ったツボを選び、適切にお灸を行いましょう。

ツボ 位置 効果
腎兪 第二腰椎と第三腰椎の間から指幅約1.5寸外側 慢性的な腰痛、冷えによる腰痛、泌尿器系の不調、疲労感、足腰の冷え
大腸兪 第四腰椎と第五腰椎の間から指幅約1.5寸外側 腰痛、便秘に伴う腰痛、下痢、腹痛
関元兪 第五腰椎と仙骨の間から指幅約1.5寸外側 下腹部や腰の痛み、生殖器系の不調、下痢、冷え
次髎 第二仙骨孔から指幅約1寸外側 腰痛、ぎっくり腰、坐骨神経痛、生理痛、下腹部痛
環跳 大腿骨大転子の上方、指幅約4寸 腰痛、坐骨神経痛、股関節痛、下肢のしびれ

ツボの位置がわからない場合は、専門家に相談することをおすすめします。

 

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つらい腰痛を解消!お灸で効くツボ押し完全ガイド【効果的なツボの位置とやり方】~後編~

執筆者

三郷駅前はりきゅう整骨院